飲食店のLINE活用は「来店の流れ」に沿って設計する
友だち集めとクーポンの一斉配信だけでは、常連づくりには足りません。 初めて来た人と通ってくれている人とでは、次の来店につながる一通の中身が違うからです。 加えて飲食店は、予約なしの来店が多い、ランチとディナーで客層も間隔も違う、グループで来て会計は一人、といった事情から、 「誰がいつ来たか」がLINEの側に残りにくい業種です。そこで、お客さんの状態を来店の流れに沿って5つに分けて考えます。
| 段階 | 届けるもの | 主に使う標準機能 |
|---|---|---|
| 友だち追加 | 友だちになると何が届くか、次回使える特典 | 友だち追加ガイド、あいさつメッセージ、クーポン |
| 初回来店の直後 | お礼、予約・持ち帰りの方法、感想を送れる窓口 | あいさつメッセージ、ステップ配信 |
| 2回目まで | 季節のメニューや仕入れなど「行く口実」 | ステップ配信、メッセージ配信 |
| 通っている | 季節の切り替わり、宴会や行事の予約受付 | メッセージ配信、ショップカード、LINEで予約 |
| 常連 | 誕生日の予約の案内、取り置きや相談への返事 | チャット、クーポン、誕生日の管理 |
段階で分けて来店を促す考え方そのものはLINEで来店促進するにはで業種をまたいで整理しています。 この記事はその飲食店版で、入口・特典・予約や空席の案内に絞ります。 友だち集めの施策全般は友だちを増やす7つの施策、 クーポンの作り方はクーポン作成方法、 ショップカードの設計はショップカードの記事で扱っています。
LINE公式アカウントの標準機能でできる範囲
飲食店でいちばん効く制約は、予約なしの来店を、配信の相手を決める条件に使いにくいことです。 それ以外の多くは標準機能でできます。
- 入口ごとに別のQRコードを作り、追加数を経路別に見る
- 追加の直後にあいさつメッセージを送る(通数にカウントされない)
- 友だち追加を起点に、1〜30日の待ち時間でステップ配信する
- ショップカードで来店ポイントと特典を設定する
- LINEで予約を連携し、みなし来店の人を配信の相手にする
- 応答メッセージで「テイクアウト」などのキーワードに自動で返す
- チャットで予約や相談に個別に応じる
- ショップカードのポイントやクーポンの使用で送り分ける
- 予約なしの来店を、来店日・回数として配信の条件に使う
- 無料範囲のタグで細かく分類する(5種類・1人1個まで)
- 少ない件数で経路別の数を見る(20回未満は「その他」)
- 管理画面だけで、人ごとにリッチメニューを出し分ける
- テイクアウトの注文・決済を管理画面の機能で受ける(該当する機能がマニュアルに見当たらない)
出典:LINEヤフー for Businessの公式マニュアル 「オーディエンス」・ 「チャット」・ 「分析 - ショップカード」ほか、各章で示すページ(2026年11月時点)。
ショップカードの分析画面で見られるのは、来店ポイントの数やポイントごとの人数といったカード全体の集計です。 オーディエンスのタイプにもショップカードとクーポンは無いため、「ポイントが3つの人だけ」には送れません。 常連を見分けて送る方法は、予約の受け方で3つに分かれます。
- 予約の多くがLINEで予約経由——予約オーディエンスで「みなし来店」(キャンセルされずに予約日を過ぎた予約)を選べます。予約回数を指定する欄もあり(1〜9999の範囲)、何度も予約している人をまとめる手がかりになります。
- 電話・他の予約サイト・予約なしが中心——会計時などにチャットでタグを手で付け、チャットタグのオーディエンスにします。POSの記録をユーザーIDアップロードで使う方法は、LINEのユーザーIDとの紐づけが前提です(来店促進の記事)。
- 手作業が回らない規模——来店の記録を配信側に取り込む連携が要ります。たとえばEngage Ch®では、POSや予約システムの来店履歴を取り込んで「最終来店日」をセグメントの条件にしたり、来店ごとに「来店1回」「来店3回」「常連」といったタグを自動で更新したりできます(外部連携・タグ管理)。
友だち追加の入口 — 店頭・テーブル・会計時で役割を分ける
飲食店では、QRコードが来店のどの瞬間に目に入るかで、相手の状態も伝えることも変わります。
| 入口 | 相手の状態 | 伝えること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 店頭 | 入口・看板・待ち列。まだ来ていない人も含む | 営業時間、今日のおすすめ、予約や持ち帰りの方法 | 「ご来店ありがとうございました」で始まる文面が合わない |
| テーブル | 料理を待っている、または食事中 | 友だちになると何が届くか、次回使える特典 | 食事の邪魔にならない置き方にする。声かけは料理を出すときなどに |
| 会計時 | 食事を終え、店の印象が決まっている | ショップカード、次回の特典、予約の取り方 | 混雑時は声かけが短くなる。レジ横のPOPで補う |
入口ごとに別のQRコードを作って数える
公式マニュアル「友だち追加ガイド」によると、 経路の作成では「経路(必須)、流入元、キャンペーン」を入力して設定すると「URL・QRコード・ボタンが表示されます」。 そこから追加した人は、設定した経路として数えられます。 経路は置き場所、流入元は印刷物の種類(卓上POP・メニュー表など)、キャンペーンは特典や時期、と分けると整理しやすくなります。
結果は「分析」の「友だち」にある「追加経路」で見ます。ただしマニュアルには 「20回以上の友だち追加・ブロックが発生した場合のみ数値を確認できます」とあり、20回未満は「その他」に集計されます。 追加の少ない店で入口を細かく分けると、どれも数値が出ません。最初は3つ程度に絞り、長めの期間で比べます。 また、ポスターやノベルティに設定した経路と、2024年10月23日以前に作成した経路は、作成済みの経路一覧に表示されないとマニュアルに書かれています。経路名と印刷物の対応表は店側で残します。
テーブルには「クーポンQRコード」も置けます。読み込むと、店で使えるクーポンの一覧か、友だち追加後すぐに使えるクーポンが表示されます。 ただし同じページに「設定されたクーポンの有効期間が過ぎると、ユーザーはアカウントを友だち追加できなくなります」とあるため、 長く置く印刷物に使うなら、有効期間と差し替えの時期をそろえてください(いずれも2026年11月時点)。
あいさつメッセージは、入口を選ばない文面にする
あいさつメッセージのマニュアルに、入口ごとに文面を変える設定の記述は見当たりません。 店頭で追加した人はまだ来店していない場合もあるため、 来店したかどうかに関係なく通じる文面にしておきます。
〈店名〉です。友だち追加ありがとうございます。
このアカウントでは、季節のメニューが始まる日と、数の限られる仕入れを、月に◯回ほどお知らせします。
ご予約・お持ち帰りは、下のメニューからどうぞ。
次回のご来店で使えるクーポンを添えています。
「月に◯回ほど」と書いたら、その回数を守ります。約束と実際に届く内容をずらさないことが、配信を読んでもらう前提です。
友だち追加の特典の考え方と景品表示法
特典は「次の来店」に向ける
常連づくりが目的なら、特典は次回の来店で使えるものを軸にします。 その日の会計で使える値引きは、すでに来ている人の会計を下げるだけで、次に来る理由になりません。 もう一つの特典は、季節メニューの開始日や数の少ない仕入れといった友だちにだけ届く情報です。 特典だけが目当ての人は、届く情報に関心が無ければブロックに進みやすいと考えられるため、「何が届くか」も示します。
景品表示法で確認しておくこと
特典の形によっては景品表示法の景品規制が関係します。消費者庁の資料で確認できる範囲は次のとおりです。
| 特典の形 | 消費者庁の資料での扱い |
|---|---|
| 割引率を記載した割引券 | 「正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益」に当たり、景品規制の対象とならないとされている(Q&A Q37) |
| 特定の商品と引き換える券 | 「ドリンク1杯無料券、ケーキ1個引換券」のような証票は、総付景品の規制の対象になるとされている(Q122) |
| 物品・無料サービスのプレゼント | 来店・購入に付随して渡す場合、景品類として総付景品の限度額(取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2)がかかる可能性がある |
| 抽選で当たる特典 | 対価の減額であっても、懸賞による場合は値引とは認められず景品類に含まれ、一般懸賞の規制の対象になるとされている(Q46) |
出典:消費者庁「景品規制の概要」、景品に関するQ&A 「景品類とは」・ 「景品類ではないもの」・ 「景品規制について」・ 「総付景品について」(2026年11月時点)。 同Q&A(Q36)では「正常な商慣習」に具体的な判断基準は無く、個別に判断されるとされています。迷う特典は実施前に資料を確認するか、専門家に相談してください。
飲食店で確かめておきたいのは、店頭やテーブルで友だち追加した人は来店者だという点です。 Q&Aでは「自己の店舗への入店者に対し経済上の利益を提供する場合」は取引に付随するとされ(Q9)、 購入を条件とせず来店者にもれなく提供する場合は「取引の価額については、原則として100円とされていることから、提供できる景品類の最高額は200円となります」とされています(Q111。店舗で通常行われる取引の最低額が100円を超えると認められるときは、その額を取引の価額にできる例外あり)。 景品類の価額は、同じものが市販されている場合、通常購入するときの価格によります(Q76)。 つまり「店内で友だち追加した人全員にドリンク1杯無料」は、ドリンクの通常の価格がこの最高額に収まるかを確かめる必要があります。 なお、SNSの友達登録で応募できる懸賞でも、景品の受け取りに来店が必要なら取引に付随し、総付景品の規制の対象になるとされています(Q20)。
クーポンの「抽選」の獲得条件で渡す特典も、表の「抽選で当たる特典」に当たります。誕生日の特典での扱いは誕生日メッセージの記事でも整理しています。
初回来店後のフォロー — お礼と「店の使い方」を先に
予約なしの来店が多い店では、店内で友だち追加された時点が、そのまま初回来店のしるしになります。 友だち追加を起点に、来店中はあいさつメッセージ、翌日はステップ配信(待ち時間1日)で送る形が基本です。 LINEで予約を使っていれば、みなし来店のオーディエンスに送る方法もあります。 文面の型は飲食店のF2(2回目来店)テンプレにまとめています。
ステップ配信の開始条件は「友だち追加」か「オーディエンス」で、 「友だち追加」では「対象とする追加経路を選択します」とされています。 ただし、友だち追加ガイドで作った経路を選べるかは本文から確認できませんでした(2026年11月時点)。絞れない場合は、来店の有無を問わない文面にします。 また「当月のメッセージ配信通数の上限を超過した場合には、利用中のすべてのステップ配信でメッセージの配信が停止します」とあり、 月末に一斉配信を重ねると来店後のフォローまで止まります。
翌日の1通で渡すのは、売り込みではなく次に来るときに迷いそうなことです。予約の取り方、持ち帰りの可否、混みやすい時間帯、そして「気になったことはこのトークへ」という窓口です。 店内で追加した人には、何度も来ているのに初めて追加した人も含まれるため、「初めてのご来店」と決めつける言い方は避けます。 分岐を含む組み方はLINEシナリオ配信の作り方で扱っています。
2回目来店のきっかけ — 「行く口実」を届ける
飲食店では、次に来る時期をお客さんが決めます。「そろそろ来店の時期です」という案内より、今行く理由になる情報のほうが届けやすくなります。
| 行く口実 | 送るタイミング | 気をつけること |
|---|---|---|
| 季節メニューの開始 | 開始前の予告と開始日 | 終わる日も書く |
| 仕入れ・数量限定 | 入荷が決まった時点 | 「なくなり次第終了」と明記し、売り切れたら早めに知らせる |
| 初回に頼まなかった定番 | 初回から2回目までの間 | 何を頼んだかは分からないので「当店の定番」として紹介する |
| 宴会・行事の予約受付 | 受付を始める日 | 予約済みの人に届かないよう、外す手段を先に決める |
初回から2回目までの日数に、飲食店で共通する決まった数字はありません。 予約台帳やPOSの記録から初回と2回目の間の日数の中央値を出し、その手前に置くのが出発点です。 記録が無ければ、次の来店の目安をアンケートで聞く方法もあります(来店周期リマインド(アンケート版))。 ステップ配信の待ち時間は「1~30日の間で設定ができます」とされ、間隔の長い店ではステップを重ねるか通常の配信で送ります (来店周期リマインドのテンプレ)。
効果は、2回目に来た人の割合(F2転換率)で見ます。分母は配信の通数ではなく、期間内の初回来店者の数です。 測り方は来店促進の記事の「効果の測り方」で扱っています。
ショップカード・クーポン・誕生日 — 仕組みの使い分け
ショップカードは来店の回数に報いる、クーポンは次の来店の理由をつくる、誕生日は年に一度の予約の理由になる、と役割が違います。
ショップカード — 同じ日の来店とグループ客を先に決める
ショップカードで先に決めておきたいのは3点です。
- 同じ日の2回目を数えるか——マニュアルには「デフォルトは『同日中に同じお客さまへのポイント付与を許可しない(0:00にリセット)』になっています」とあり、すべてのポイント付与QRコードに適用されます。ランチとディナーの両方に来る人がいる店では、どちらにするかを決めます。
- QRコードを誰が見せるか——ポイント付与のQRコードは印刷しておくほか、スマートフォンに表示して読み取ってもらうこともできます。卓上に置きっぱなしにすると会計と関係なく読み取れるため、会計時にスタッフが見せるほうが管理しやすくなります。
- グループ客の扱い——会計は1人でも、来店した全員がそれぞれポイントを付けるのか。スタッフによって対応が違うと不満につながります。
公開停止にしたカードは「一度公開停止にした場合は復活できません」とされているため、内容の差し替えは計画的に行います。
クーポン — あいさつメッセージに入れたものの差し替えに注意
クーポンの公開範囲は初期値が「掲載しない」で、友だちだけに配る設定です。 「掲載する」にするとLINEヤフーの関連サービスに掲載され、すべてのユーザーが見られます。 保存後は編集・削除ができず、「終了」も取り消せません。あいさつメッセージに設定したまま終了すると、終了済みのクーポンが配布される可能性があるとも書かれています。 特典を切り替えるときは、新しいクーポンを作り、あいさつメッセージを差し替えてから古いものを終了します。 利用条件や有効期間の決め方はクーポン作成方法にまとめています。
誕生日 — お祝いの食事は予約の前に案内する
標準の属性に誕生日はありません。チャットのタグで誕生月を管理する、CRMオプションのオートメーション(実行条件に「誕生日」がある)を使う、APIや外部ツールで送る、の3つの方法の比較は 誕生日メッセージの記事にまとめています。 飲食店で気をつけたいのは、お祝いの食事には予約が要ることが多い点です。 当日では席が埋まっていることもあるため、誕生月の初めか誕生日より前に、予約の案内として送ります (お誕生日祝いのテンプレ)。
予約・テイクアウトの案内 — LINEの中で受ける範囲を決める
LINEで予約を使う場合
LINEで予約は 「予約サービスと連携が完了しているLINE公式アカウントで利用が可能となります」とされています。 連携できる予約サービスは本文に列挙されていないため、予約システムの側で確認してください(2026年11月時点)。 連携すると、メッセージ・あいさつメッセージ・応答メッセージ・リッチメニュー・チャットに予約の入口を置けます。 プロフィールの予約ボタンからは「友だち追加しているユーザー以外からも予約を受けることができます」とされ、 ボタンは予約を受け付け中で予約在庫がある場合に表示されます。
予約の分析ではLINEを経由した予約数や今後の来店予定数を確認できますが、 「分析 - 予約」には 「ユーザーがLINE公式アカウント以外で予約やキャンセルをした場合、反映されません」と記載されています。電話や他のサイトの予約は含まれません。
別の予約システムや電話で受けている場合
リッチメニューやあいさつメッセージから、普段の予約ページや電話へ案内します。 この形では予約の記録がLINEに残らないため、予約済みの人を配信の相手から外せません。宴会の予約受付などを送るときは「すでにご予約の方は行き違いご容赦ください」と添えます。
テイクアウト — 案内はLINE、注文は外か開発で
案内は標準機能で組めます。リッチメニューに持ち帰りメニューや注文ページへのリンクを置き、 応答メッセージで「テイクアウト」「持ち帰り」などのキーワードに受付時間とメニューを返します。 応答メッセージは「設定したキーワードと完全一致するメッセージを受信したとき」に送られ、1つの応答メッセージに設定できるキーワードは51個までなので、言い方の揺れを並べておきます。
一方、注文と支払いをLINEの中で受ける機能は、管理画面のマニュアルには見当たりませんでした(2026年11月時点)。 注文まで受けるなら、外部の注文サービスへリンクするか、 LINE Developersのドキュメントで「LIFF(LINE Front-end Framework)上で実行されるウェブアプリ」と説明されているLINEミニアプリを開発することになります(LINEミニアプリの記事)。
なお、管理画面のリッチメニューは全員に共通で、表示期間を決めて予約できます。 人ごとの出し分けにはMessaging APIが必要です(リッチメニューの出し分け)。
配信の頻度と内容 — 季節メニュー・空席情報をどう送るか
頻度は「通数」と「反応」から決める
料金プランのページでは、 無料メッセージ通数はコミュニケーションプラン(月額0円)が200通、ライトプラン(月額5,000円)が5,000通、スタンダードプラン(月額15,000円)が30,000通で、 それを超えて送れるのはスタンダードプランだけです(税別、2026年11月時点)。 通数は「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」で数え、あいさつメッセージ・応答メッセージ・LINEチャットの送受信はカウントされません。
たとえば友だち400人に月2回送ると800通で、コミュニケーションプランの200通を超え、ライトプランの5,000通には収まります。 何回が適切かに飲食店で共通する正解は無いため、次の順で自店の回数を決めます。
- 1か月に出せる話題を先に書き出す——季節メニュー、仕入れ、臨時休業、予約受付など。話題の無い回は送りません。
- 配信ごとに開封・クリックとブロック数を記録する——ブロック数は「分析」の「友だち」で、選んだ期間の数として見られます。配信した週としなかった週を比べ、配信のたびに増えるなら回数か内容を見直します。
回数と時間帯の決め方は配信頻度の記事、ブロックとの関係はブロック率を下げる配信設計で扱っています。
内容ごとの送り方
| 内容 | 送る相手 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 季節メニュー | 全員 | ランチ限定・ディナー限定はそう明記する |
| 仕入れ・数量限定 | 過去の関連配信をクリックした人など | クリックのオーディエンスは50人以上でないと配信に使えない |
| 空席情報 | 来やすい人。全員に毎日は送らない | 予約配信は指定した時刻どおりに届かない場合がある |
| 臨時休業 | 全員 | 販促と混ぜず、お知らせだけで送る |
メッセージ配信では日時を指定する予約配信ができます。 エリアなどの属性で絞るにはターゲットリーチが100人以上必要で、属性は推定の「みなし属性」です。
空席情報は、通数を使わない出し方と組み合わせる
当日の空席は飲食店らしい話題ですが、友だち400人に毎日送ると30日で12,000通です。 また予約配信には「※混雑状況などにより、設定時間通りに配信されないことがあります」との注意書きがあり、急ぐ情報には向かない面もあります。
- 応答メッセージで返す——「空席」と送った人にその日の状況を返します。通数にカウントされませんが、内容は手で書き換えるため、更新する担当と時刻を決めます。
- 空き状況が分かるページへ案内する——予約システムに空き状況が出るなら、リッチメニューからリンクします。
- 配信は「急に空いた日」に絞る——予約のキャンセルが出た日など、送る理由がある日だけにします。
常連との距離感 — チャットは「受けて返す」場所
常連ほど、予約の相談や取り置きをLINEで送ってきます。距離が近くなる分、応じ方を店内で決めておくことが大切です。 チャットと 応答設定のマニュアルで確認できる前提は次のとおりです(2026年11月時点)。
- チャットは「ユーザーからメッセージが届いた場合にのみ、チャットが可能になります」。お客さんから始まる窓口です。
- 応答時間を設定すると、時間の内と外で応答の方法を切り替えられます。時間外で利用中の応答メッセージが無ければ「現在は応答時間外です」と表示されます。
- 無料範囲では、タグは5種類・1人1個、ノート(メモ)はチャットルームごとに1件、履歴の保存は半年です(チャットProオプションで拡張できます)。
- LINEチャットの送受信は、配信通数にカウントされません。
店内では、チャットで受けること(予約の相談・取り置き・苦手な食材の確認など。当日の席の確約は電話で、のように受けないことも)、 返す時間と人(仕込みの時間など返せる時間帯を応答時間にし、よく使う返事は定型文に)、 ノートに残すこと(接客に必要なことだけ)を決めておきます。
よく来てくれる人に「常連」のタグを付ければ、チャットタグのオーディエンスにして、新しいメニューの先行案内などをその人たちにだけ送れます。 対象になるのは、タグが付いていて、その人とのチャットルームがある場合です。 無料範囲では1人1個のタグを「常連」に使うと誕生月などには使えなくなるため、どの分類に枠を使うかを先に決めます。
気をつけたいのは、店から近づきすぎないことです。 常連の相談に丁寧に返すことと、店から個別に売り込むことは別のものです。特別扱いの度合いは相手の反応を見て決めます。
よくあるつまずき
- 店頭で追加した人に「ご来店ありがとうございました」が届く
来店後の前提で書いたあいさつメッセージは、入口や看板のQRコードから追加した、まだ来ていない人にも届きます。 対処:あいさつメッセージは来店の有無に関係なく通じる文面にする
- 卓上POPのクーポンQRコードが期限切れになる
クーポンの有効期間が過ぎると、そのQRコードからは友だち追加できなくなります。 対処:長く置く印刷物には通常の友だち追加QRコードを使うか、差し替え日を決める
- 「友だち追加でドリンク無料」の上限を確かめていない
店内の来店者全員に引換券を渡す形は総付景品の規制の対象で、購入を条件としない場合の最高額は原則200円です。 対処:割引率を示した次回の割引券にするか、特典の通常の価格が上限に収まるかを確かめる
- ランチとディナーの同日来店にポイントが付かない
ショップカードは初期設定で、同じ日に同じ人へのポイント付与を許可していません。 対処:同じ日の2回目を数えるかを決め、設定とスタッフへの説明をそろえる
飲食店のLINE活用に関するよくある質問
Q. 飲食店のLINE公式アカウントは無料のプランで運用できますか?
始めることはできます。無料のコミュニケーションプランは月200通までで、追加はできません(2026年11月時点)。通数は「送った回数」×「送った友だちの数」なので、配信できる友だちが200人を超えると、全員への配信は月1回でも収まりません。あいさつ・応答メッセージとLINEチャットはカウントされません。
Q. 友だち追加の特典に「ドリンク1杯無料」を付けても問題ありませんか?
景品表示法の景品規制の対象になる可能性があります。消費者庁のQ&Aでは、ドリンク1杯無料券のような引換券は総付景品の規制の対象とされ、購入を条件とせず来店者にもれなく提供する場合の最高額は原則200円とされています。割引率を記載した割引券は値引として景品類に含まれないとされています。迷う場合は専門家に相談してください。
Q. テーブルのQRコードから友だち追加した人の数だけを見られますか?
見られます。「友だち追加ガイド」で経路を作ると経路用のURL・QRコード・ボタンが表示され、そこからの追加は「分析」の「友だち」にある「追加経路」に経路別に出ます。ただし選んだ期間に20回以上の友だち追加・ブロックがあった場合だけ数値が表示され、20回未満は「その他」に集計されます(2026年11月時点)。
Q. 来店したお客さんや常連だけにメッセージを送れますか?
方法は限られます。LINEで予約を連携していれば、予約オーディエンスの「みなし来店」を選べます。予約なしの来店が多い店では、チャットのタグをオーディエンスにできますが、無料範囲のタグは5種類・1人1個までです。ショップカードのポイントやクーポンの使用は、オーディエンスのタイプに無く条件に使えません。
Q. 空席情報をLINEで知らせるときの注意点はありますか?
毎日全員に送ると通数が増えます。友だち400人に30日送ると12,000通で、ライトプランの5,000通を超えます。予約配信にも「混雑状況などにより、設定時間通りに配信されないことがあります」と注意書きがあります。通数にカウントされない応答メッセージで返す方法も組み合わせてください。
まとめ
- 標準機能で効く制約は、予約なしの来店を配信の条件に使いにくいこと
- 友だち追加は店頭・テーブル・会計時で役割を分け、経路ごとのQRコードで数える
- 店内の来店者への引換券は総付景品の規制の対象。購入を条件としない場合の最高額は原則200円
- 2回目のきっかけは割引より行く口実。時期は自店の記録で決める
- 空席情報は応答メッセージやリンクと組み合わせ、チャットは受けること・返す時間・返す人を決めておく
標準機能だけでも、入口から来店後のフォロー、予約の案内、常連とのやり取りまでは組めます。 来店回数や最終来店日で送り分けたい段階に来たら、来店の記録を配信側に取り込む仕組みが必要になります。 飲食店での使い方の例は飲食店の活用シーン、文面の型はテンプレート集にまとめています。
