リサーチの提供終了で何が変わるか — 日程と、終了前にやること
LINE公式アカウントの「リサーチ」は、アンケートや投票のページを作り、メッセージやあいさつメッセージで届けられる標準機能です。 LINEヤフーは管理画面のお知らせで 「2026年12月2日(水)をもちまして、LINE公式アカウントの「リサーチ」機能を終了することとなりました」と告知しています。 リサーチのメニュー内にある「アカウント満足度調査」も対象で、終了は3段階で進みます。
| 日付 | 起きること |
|---|---|
| 2026年9月2日(水) | 配信日時が11月18日以降の日程でリサーチ・アカウント満足度調査を設定したメッセージの配信予約が停止 |
| 2026年11月18日(水) | 新規作成・編集の停止。ユーザーによる回答受付の停止 |
| 2026年12月2日(水) | 回答結果の閲覧・ダウンロードの停止。提供終了 |
出典:LINE Official Account Manager のお知らせ「【提供終了】LINE公式アカウントのリサーチについて」(2026年11月時点)。日程は変更となる場合があると注記されています。
終了前に確認すること
- 設定済みのリサーチを差し替える——お知らせは、あいさつメッセージ・応答メッセージ・カードタイプメッセージ・ステップ配信などにリサーチが残っていないかの確認を求めています。残っていると、11月18日以降は答えられないアンケートが届くおそれがあります。
- 残したい結果をダウンロードする——マニュアルには「回答数が20件以上集まらない場合は、結果のダウンロードが行えません」とあります。20件未満のリサーチはファイルで持ち出せない点に注意します。
公式の代替手段と、乗り換えで決め直すこと
お知らせは代替手段に「LINEリサーチまたはLINE公式アカウントCRMオプションの「フォーム」機能」を挙げています。 ただしLINEリサーチは「LINEユーザーから募ったモニター700万人以上」にアンケートを募集できる市場調査のサービスで(2026年11月時点)、自店の友だちに聞く道具ではありません。
また、リサーチの回答はもともと友だちと結びつきませんでした。オーディエンスのタイプにリサーチの回答者は無く、CRMオプションの紹介ページの比較表でも「回答が顧客と紐づかないため、手動管理が必要」とされています。 乗り換えは、答えを集計だけに使うのか、配信の出し分けにも使うのかを決め直す機会です。
この記事は「どの手段で、どう作るか」に絞り、CRM施策に活かす考え方はアンケート×LINE、 本人に聞いて集めるデータの意味と同意はゼロパーティデータとは、 集めた情報の持ち方はLINEで顧客管理はどこまでできる?で扱っています。
リサーチの代わりにLINEでアンケートを取る8つの方法
手段ごとに、回答を配信に使えるか・費用・手間を並べました(費用は2026年11月時点の公式ページの記載)。
| 手段(できること) | 回答を配信に使えるか | 費用 | 手間 |
|---|---|---|---|
| 1. チャットで聞く(自由記述) | 手作業なら(チャットタグ) | 質問の配信は通数に数える。チャットのやり取りは数えない | 返信を読み、タグを付ける人手 |
| 2. URLを分けたボタン(選択式を1問ずつ) | 使える(URL別のメッセージクリックのオーディエンス) | 配信の分は通数に数える | 選択肢ごとのURLとオーディエンスの作成 |
| 3. テキストのボタン+応答メッセージ(選択式を会話風に続ける) | 手作業なら(チャットタグ) | 最初の配信だけ数える。応答メッセージは数えない | キーワードと応答の組を選択肢の数だけ作る |
| 4. リッチメニュー(選択肢を常に置く) | 使える(リッチメニュークリックのオーディエンス) | 配信しなくても置いておける | メニューの枠を使う |
| 5. CRMオプションのフォーム(最大100問・7つの回答形式) | 使える(タグの付与・解除、顧客情報の更新) | 月額5,000円(税別、チャットProオプション込み) | 管理画面で完結。利用条件あり |
| 6. 外部フォーム+ユーザーID(形式は自由) | ユーザーIDと紐づければ | フォームサービスと紐づけの開発費 | LIFFなどの開発 |
| 7. Messaging API(クイックリプライなどで会話形式) | 使える(自社で保存) | 開発・運用費。応答は数えず、プッシュは数える | サーバーと保存先の開発・運用 |
| 8. CRMツールのアンケート機能(ツールによる) | 使える(ツールの仕組みによる) | ツールの利用料 | 導入と初期設定 |
出典:LINEヤフー for Business料金プラン・CRMオプションと、以降の各章に記載した公式マニュアル・LINE Developersのドキュメント(2026年11月時点)。
料金プランのページには「料金プランによって利用できる機能に差はありません」とあり、1〜4は無料のプランでも使えます。選び方は、答えを何に使うかで決まります。
- 傾向を知りたいだけ——5の集計や、ユーザーIDと紐づけない外部フォームで足ります。リサーチに最も近い使い方です。
- 答えで送り分けたい——1問ずつなら2で組めます。友だちが少なくスタッフがチャットを見ているなら、1や3でも回ります。
- 1人の答えを並べて持ちたい——複数の答えを同じ人の情報として組み合わせるなら、5・7・8のいずれかが要ります。
標準機能だけで作る手順 — ボタン・応答メッセージ・チャット
追加の契約をせずに作るなら、型は3つです。いずれも1回の配信で1問を聞く形が基本です。
型1:選択肢ごとにURLを分けたボタンで聞く
メッセージクリックのオーディエンスは、マニュアルで「メッセージを選択するとメッセージに含まれるURL別のターゲットが表示されます」と説明されており、 どのURLを押した人かで別々のオーディエンスを作れます。答えをそのまま配信の対象にできる型です。
- 選択肢ごとに別のURLを用意する——同じページへ送るなら、末尾のパラメータを変える(
?answer=1mなど)といった方法で別のURLにします。 - リッチメッセージかカードタイプメッセージで選択肢を作る——リッチメッセージは「タップエリア」が分割されたテンプレートを選ぶとエリアごとにアクションを設定でき、「リンク」にURLを入れます。カードタイプメッセージはカードを最大9枚まで並べられます(作り方)。
- 本文に質問と目的を書いて配信する——記録されるのは押したことだけなので、「1つだけ選んでください」と質問として聞きます。
- 配信から60日以内にオーディエンスを作る——タイプ「メッセージクリック」で、メッセージと選択肢ごとのURLを指定して保存します。
- 絞り込み配信やステップ配信の条件にする——配信に使うには、オーディエンスのサイズが50以上必要です。
マニュアルには「「チャットタグオーディエンス」「ウェブトラフィックオーディエンス」以外は新規作成から180日間有効です」ともあり、ボタンで集めた答えは期限のある記録です。
型2:テキストのボタンと応答メッセージで会話風に聞く
リッチメッセージのアクションには「テキスト」もあり、マニュアルでは「入力したテキストがトークルームに送信されます」と説明され、 応答メッセージのキーワードと一致させれば自動で返信できるとされています。押すたびに次の質問が返ってくる流れを作れます。
- 選択肢ごとに送られる文言を決める——「次回:1か月以内」のように、ほかの会話と重ならない文言にします。キーワード応答は「設定したキーワードと完全一致するメッセージを受信したとき」に送られます。
- 応答メッセージをキーワード応答で作る——その文言をキーワードに登録し、お礼や次の質問を返します。1つの応答メッセージに登録できるキーワードは51個まで、応答メッセージは1,000個まで作れます。
- 応答設定を確認する——[設定]>[応答設定]で応答メッセージが送られる設定にします。チャットも使うなら「チャット:オン」「応答時間:オフ」で、応答方法に応答メッセージを含む項目を選びます。
- 届いた答えにタグを付ける——送られた文言はトークに残りますが、自動でタグにはなりません。配信に使うなら、スタッフがチャットで確認してチャットタグを付けます。
料金プランのページで応答メッセージは配信通数にカウントされないとされているので、2問目以降を応答で返せば、数えられるのは最初の1通です。 ただしチャットのマニュアルでは、1人に付けられるタグは「無料範囲では1個まで、チャットProオプションでは最大30個まで」(作れる種類は無料5個・Pro300個、Proは月額3,000円・税別)です。 無料範囲では1人に1つの答えしか持てないため、複数の答えを並べて使う設計には向きません。
型3:チャットで自由に聞く
「気になった点があれば、このトークに返信してください」と呼びかけ、自由な文章で答えてもらいます。タグを付けた人には、チャット画面でタグを選んで(最大10まで)絞り込み配信ができます。 注意したいのは保存期間で、マニュアルにはテキストメッセージなどの保存期間が「無料範囲では半年、チャットProオプションでは5年間」とあります。集計するつもりの回答は、定期的に別の場所へ控えます。
本人が後から変えられるようにしたい質問は、リッチメニューのエリアに置く方法もあります(ゼロパーティデータとはで解説)。
出典:公式マニュアル「オーディエンス」・「リッチメッセージ」・「応答メッセージ」・「チャット」・「カードタイプメッセージ」(2026年11月時点)。
CRMオプションのフォームで作る手順
リサーチのお知らせで代替手段に挙げられているのが、有料のCRMオプションの「フォーム」です。 マニュアルでは「回答内容に応じて、ユーザーリストの顧客情報を更新したり、タグを付与・解除したりできます」と説明されており、 回答を一人ひとりの顧客情報として持ち、配信の条件に使うところまでがLINE公式アカウントの中で完結します。
申し込みには、LINE公式アカウントが認証済であること、ビジネスマネージャーとの接続・認証、レストランオプション・Beautyオプション・チャットProオプションを契約していないこと、友だちが10万人以上ではないことなどの条件があります。 チャットProオプションを契約中なら先に解約が必要で、購入できるのは解約完了の翌月1日以降です。 料金は月額5,000円(税別)、初期サポートは任意で1回20,000円(税別)、購入・利用はWeb版管理画面(PC)のみです。
出典:公式マニュアル「申し込み・解約(CRMオプション)」・「フォーム」・「オートメーション」・「ユーザーリスト」、LINEヤフー for Business「CRMオプション」(2026年11月時点)。
- [顧客管理]>[フォーム]で「作成」し、タイプを選ぶ——「自由設定フォーム」のほか、質問があらかじめ入った「カウンセリングシート」と飲食店向けの「満足度調査」があります。
- 基本設定を入れる——タイトル(最大60文字)、説明文(最大150文字)、プライバシーポリシーのURL(任意)、回答期間、ユーザーごとの回答回数制限(「制限なし」か「1回のみ」)。
- 質問を作る——回答形式は短文・長文・ラジオボタン・プルダウン・チェックボックス・日付・評価(10段階)。選択肢は最大50件で、回答をユーザーリストの顧客情報に反映する「顧客情報の更新」もここで設定します。
- タグ設定をする——選択式の質問について、どの選択肢でどのタグを付与・解除するかを決めます(最大50件。タグは事前に作成)。
- 公開して届ける——「シェア」でURLをコピーするか、QRコードをダウンロードします。URLはメッセージやリッチメニューに、QRコードは店頭に置けます。
答えに合わせて送るときの注意
回答をきっかけに送るには、CRMオプションのオートメーションで実行条件「フォームへの回答」を選びます。 ただしマニュアルには「回答内容ごとにアクションを分けることはできません。フォームの回答内容に応じたタグ付与などは、フォーム側の機能です」とあります。 答えごとの出し分けは、フォームで付けたタグでユーザーリストから対象を抽出して行うと考えておくと設計がぶれません。 実行条件「タグの付与」が、フォームで付いたタグを検知するかはマニュアルに記載が見当たらないため、使うなら少人数で確かめてください。
ユーザーリストに持てる項目などはLINEで顧客管理はどこまでできる?で整理しています。
外部フォーム・Messaging API・CRMツールで作る
外部フォームの回答は、ユーザーIDと紐づけて初めて配信に使える
Googleフォームのような外部のフォームは、集計だけならそのまま使えます。配信に使うには、答えた人をLINEの誰と結びつけるかを決める必要があります。 Messaging APIで特定の人に送るときはユーザーIDで相手を指定します。ユーザーIDは「ユーザーの一意な識別子」で、表示名や友だち検索に使うLINE IDとは異なると明記されています。
- LIFFで受け取る——LIFFアプリを使うと「LINEのユーザーIDなどをLINEプラットフォームから取得できます」。フォームをLIFFアプリにすれば、答えた人と回答を一緒に保存できます。
- プロフィールをそのまま送らない——ドキュメントは、
liff.getProfile()などで取得したプロフィールの詳細を「LIFFアプリからサーバーに送信しないでください」とし、IDトークンかアクセストークンをサーバーに送って検証するよう求めています。 - プロバイダーを揃える——ユーザーIDは「同じユーザーであってもプロバイダーごとに異なる値が発行されます」。フォーム側と公式アカウントのチャネルを同じプロバイダーの配下に置きます。
- 集めたIDで配信する——回答で抽出したユーザーIDを、オーディエンスの「ユーザーIDアップロード」(TXT・CSV形式、1ファイルあたり150万まで)で配信対象にするか、Messaging APIで送ります。
出典:LINE Developers「ユーザーIDを取得する」・「LIFFの概要」・「LIFFアプリおよびサーバーでユーザー情報を使用する」(2026年11月時点)。開発の進め方はLINEミニアプリとはを参照。
Messaging APIで会話形式に聞く
トークの中で質問と答えを往復させるなら、クイックリプライが使えます。 LINE Developersの「クイックリプライを使う」では、トーク画面の下部に返信ボタンを表示する機能とされ、 「1つのメッセージにクイックリプライボタンを13個まで設定できます」とあります(2026年11月時点)。 ボタンにはポストバックアクションなどを使え、受け取った答えを自社のサーバーでユーザーIDと一緒に保存して、次の質問を応答で返します。 料金プランのページではReply APIは通数にカウントされず、Push APIなどはカウントされるため、答えへの応答として次の質問を返す流れなら通数を抑えられます。その代わり、仕組みを自社で開発・運用し続けます。
CRMツールのアンケート機能を使う
開発を自社で持たないなら、LINE公式アカウントと連携するCRMツールのアンケート機能を使う方法があります。 たとえばEngage Ch®では、LINEのトーク上で答える対話型と、LIFFで開くフォーム型のアンケートを使い分けられ、 回答に応じたタグの自動付与、前の質問の回答に応じた質問の出し分け、回答の顧客属性への反映ができます。 仕組みはアンケート機能と顧客属性管理で紹介しています。
来店アンケートの項目例 — 目的から逆算して作る
来店アンケートは、質問の文面より先に答えを受け取ったあとに何を変えるかを決めます。目的は大きく3つです。
- 再来店の理由をつくる——次に試したいもの・次回の時期を聞き、次の案内の内容と時期を決める
- 満足度を知る——評価とその理由を聞き、店舗の改善と、評価の低かった人への個別の対応に使う
- 次回の希望を聞く——受け取りたいお知らせを聞き、送らないものを決める
項目例(当サイト作成)
3つの目的から逆算した例です。選択肢は自店の業種とメニューに置き換えて使います。
| 設問 | 回答形式 | 選択肢の例 | 回答の使い道 |
|---|---|---|---|
| Q1. 本日の満足度を教えてください | 評価 | — | 低い評価の人に「要フォロー」のタグを付け、店長がチャットで連絡する。全体は月ごとに集計 |
| Q2. よかった点(いくつでも) | 複数選択 | 味・仕上がり/接客/待ち時間/価格/雰囲気/特になし | 集計して改善に使う。配信の条件にはしない |
| Q3. 気になった点があれば | 自由記述(任意) | — | 店舗で共有する。返事が必要な内容はチャットで対応 |
| Q4. 次回のご来店はいつ頃になりそうですか | 単一選択 | 1か月以内/2か月以内/3か月以内/未定 | 答えた時期の手前で次回の案内を送る |
| Q5. 次に試してみたいものは | 単一選択 | メニューの分類を3〜4つ/特になし | 選んだ分類の新メニューや特集を送る |
| Q6. お知らせの受け取り方のご希望 | 単一選択 | すべて/新メニューと季節の案内だけ/月1回程度 | 希望に合わない配信の対象から外す |
Q2とQ3は「集計に使う質問」、Q1・Q4〜Q6は「配信や対応を変える質問」です。 前者は誰が答えたか分からなくても困らず、後者は回答と友だちを結びつけられる手段でなければ意味がありません。
- 標準機能だけで聞く——Q4〜Q6をURLを分けたボタンで1回に1問ずつ聞き、Q1・Q3はチャットで返信をもらいます。
- CRMオプションのフォームで聞く——Q1を「評価(10段階)」、Q2を「チェックボックス」、Q3を「長文」、Q4〜Q6を「ラジオボタン」にして1つにまとめ、Q4〜Q6にタグを設定します。
- 会話形式で聞く——Messaging APIやCRMツールなら、Q1で低い評価の人にだけQ3を出すといった出し分けができます。
Q4の答えで案内を送る流れはテンプレート来店周期リマインド(アンケート版)、 友だち追加の直後に聞く項目の例は会員登録(標準版5問)、 来店後の段階ごとに何を送るかはLINEで来店促進するにはにまとめています。
設問数と選択肢の数の決め方
設問数に、業種をまたいで通用する決まった数はありません。 答えを使う予定がある質問だけにすることと、1回で全部を聞かないことが目安です。 来店直後にQ1〜Q3、次回の案内の前にQ4、友だち追加の直後にQ6、と場面を分ければ1回の負担が小さくなります。 上限は手段によって違い、公式の記載ではCRMオプションのフォームが1フォームに質問100件・選択肢50件、カードタイプメッセージのカードが9枚、クイックリプライのボタンが13個、リサーチは質問7つ・選択肢10個でした(2026年11月時点)。
選択肢の数は、上限よりも配信で分けられる数と集まる人数で決めます。 標準機能のオーディエンスは配信に使うにはサイズが50以上必要で、答えた人が200人で選択肢が5つなら、均等に分かれても1つあたり40人です。 最初は選択肢を少なめにし、「未定」「特になし」のような逃げ道も用意します。
回答を配信に使う — タグ・オーディエンス・顧客情報への反映
集めた答えは、配信の対象を決める条件になって初めて意味を持ちます。置き場所ごとの使い方は次のとおりです。
- オーディエンス——絞り込み配信の「含める」「除外する」や、ステップ配信の開始条件・分岐に使えます。押した記録の集まりなので、押し直した人は前の選択肢にも残ります。
- チャットタグ——チャットタグのオーディエンスにするか、チャット画面でタグを選んで絞り込み配信をします。無料範囲では1人1個までです。
- CRMオプションのタグ・顧客情報——ユーザーリストで配信対象を抽出します。顧客情報は回答で基本的に上書きされ、リスト型の項目は追加されます。
- 自社のデータベース——ユーザーIDアップロードかMessaging APIで送ります。
「含める」より先に「除外する」を用意する
Q5で選んだ分類の人を含めて新メニューを案内するのが「含める」、Q6で「月1回程度」と答えた人をセール案内から外すのが「除外する」です。 希望を聞いたのに守られないと聞いたこと自体が逆効果になるので、後者のほうが大切です。 なお「絞り込み配信について」のマニュアルでは、オーディエンスを掛け合わせる場合、結果が50人以上かつ各オーディエンスの有効な友だちが50人以上でないと配信できないとされています(2026年11月時点)。
答え直しに備えて、タグの付け外しを決めておく
「次回の時期」のような答えは変わります。CRMオプションのフォームでは、タグ設定で付与と解除を同時に決められます。 Q4で「2か月以内」が選ばれたら「次回:2か月」を付け、「次回:1か月」「次回:3か月」を外す設定にしておけば、答え直した人のタグが重なりません。 タグの粒度や付ける担当の決め方はLINEで顧客管理はどこまでできる?、 オーディエンスを使った配信の基本はセグメント配信とは?で解説しています。
利用目的の示し方 — 質問の前に「何に使うか」を書く
答えてもらう前に、何に使うのかを相手に見えるように書くのが出発点です。 回答を会員情報などと結びつけて持つなら、個人情報として扱う前提で設計します。個人情報保護法で関わるのは主に次の定めです。
- 第17条第1項——利用目的を「できる限り特定しなければならない」。
- 第21条第2項——本人から直接、書面(電磁的記録を含む)に記載された個人情報を取得する場合は、「あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない」。
- 第18条第1項・第20条第2項——特定した目的の範囲を超えて扱うときや、病歴などを含む「要配慮個人情報」を取得するときは、例外を除き、あらかじめ本人の同意が要る。
出典:e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(2026年11月時点)。委員会のガイドラインに示された例や法改正の動きはゼロパーティデータとはにまとめています。個別の判断は専門家に確認してください。
CRMオプションの紹介ページにも「取得・利用にあたっては、CRMオプション利用者側で必要な同意取得等を行う必要があります」とあり、聞いて集める主体は自社です。 CRMオプションのフォームなら説明文に目的を書き、プライバシーポリシーのURLを設定します(「設定すると回答同意画面にリンクが表示されます」)。 同意の画面が無いボタン・応答メッセージ・チャットでは質問の本文に、外部フォームでは送信ボタンより前に書きます。
本日はご来店ありがとうございました。
お店の改善と、次回のご案内をお好みに合わせるためのアンケートです(4問・任意)。
回答は、店内での改善の検討と、お送りするお知らせの内容・時期を選ぶためにだけ使います。
回答しなくても、これまでどおりお知らせは届きます。
個人情報の取り扱いはプライバシーポリシーをご覧ください。
書いた目的は守る約束になります。用途を広げるときは、改めて同意を得る範囲かを確認します。 クリニックや美容・健康に関わる業種では、配信を分けるだけなら、病名ではなく「関心のあるテーマ」で聞くほうが、扱う情報の重さを抑えられます。
よくあるつまずき
- あいさつメッセージにリサーチを入れたままにする
11月18日に回答の受付が止まったあとも設定が残っていると、友だち追加した人に答えられないアンケートが最初の1通として届くおそれがあります。12月2日には結果の閲覧・ダウンロードも止まります。 対処:設定先を点検して差し替え、残したい結果は11月中に持ち出す
- 外部フォームを表示名で突き合わせる
表示名はユーザーを特定する値ではありません。LIFFで取ったプロフィールをそのままサーバーに送る作りも、LINE Developersが避けるよう求めています。 対処:IDトークンをサーバーで検証してユーザーIDを得る。プロバイダーを揃える
- 答えたのに、届くお知らせが何も変わらない
使い道を決めずに質問を増やすと、相手から見て「答えたのに何も起きない」状態になります。希望と違う案内が届けば逆効果です。 対処:質問ごとに配信がどう変わるかを書き出し、外す手順まで用意してから聞く
LINEのアンケートに関するよくある質問
Q. LINE公式アカウントのリサーチはいつまで使えますか?
管理画面のお知らせによると、2026年11月18日(水)に新規作成・編集とユーザーによる回答受付が止まり、 12月2日(水)に回答結果の閲覧・ダウンロードが止まって提供を終了します。 お知らせには日程が変更となる場合があると注記されています(2026年11月時点)。
Q. リサーチの代わりになる機能はありますか?
お知らせではLINEリサーチとCRMオプションのフォームが挙げられていますが、LINEリサーチはモニターにアンケートを募集する市場調査のサービスです。 自店の友だちに聞くならCRMオプションのフォームか、標準機能のURLを分けたボタン・応答メッセージ・チャットで聞く方法があります。
Q. アンケートに答えた人だけにメッセージを送れますか?
聞き方によります。URLを分けたボタンなら、URL別のメッセージクリックのオーディエンスを作って配信の条件にできます(配信に使うにはサイズ50以上)。 CRMオプションのフォームなら、回答に応じてタグを付け、ユーザーリストから対象を抽出できます。 リサーチの回答者はオーディエンスのタイプにありません。
Q. 来店アンケートは何問くらいにすればよいですか?
決まった数はありません。答えによって配信や対応が変わる質問だけに絞り、場面ごとに分けて聞くのが基本です。 参考として、CRMオプションの初期サポートで代行するアンケートの範囲は「設問数:最大10問(推奨5問)」と記載されています。
Q. Googleフォームなど外部のフォームの回答を、LINEの配信に使えますか?
回答とLINEのユーザーIDを紐づけられれば使えます。フォームのURLを配信するだけでは、誰が答えたかをLINE側で特定できません。 LIFFでIDトークンを取得して自社のサーバーで検証し、得たユーザーIDでオーディエンスをアップロードするか、Messaging APIで送ります。
まとめ
- リサーチは2026年11月18日に回答受付、12月2日に閲覧・ダウンロードが止まる。設定済みのリサーチの差し替えと結果の持ち出しを先に済ませる
- 乗り換えは答えを集計に使うのか、配信の出し分けに使うのかを決め直す機会
- 標準機能ではURLを分けたボタンとオーディエンスが、答えを配信に使える型。応答メッセージやチャットは通数を抑えられるが、タグ付けは手作業
- CRMオプションのフォームは回答に応じたタグの付与・解除と顧客情報の更新ができ、出し分けはタグで行う
- 外部フォームを配信に使うには、LIFFなどでユーザーIDを安全に受け取る仕組みが要る
- 来店アンケートは目的から逆算し、集計用と配信用の質問を分ける。質問の前に何に使うかを書く
1問ずつなら標準機能でも答えに合わせた配信まで組め、複数の答えを組み合わせたくなったらCRMオプションかMessaging APIを使った仕組みが要ります。 回答をタグや属性として持つ仕組みはアンケート機能とタグ管理、 回答をもとにした文面の型はテンプレート集で紹介しています。
