LINE公式アカウントの流入分析で分かること
LINE公式アカウントには、友だちが「どこで友だち追加したか」を記録する仕組みが標準で入っています。 公式マニュアル「分析 - 友だち」では、追加経路の画面について 「ユーザーが友だち追加およびブロックした経路の確認ができます」と説明されています(2026年11月時点)。 経路は自動で分類され、さらに自分で作ったURL・QRコードに名前を付けて、置き場所ごとに数えることもできます。
| 段階 | 使う機能 | できること |
|---|---|---|
| 作る | 友だち追加ガイドの「友だち追加経路を設定」 | 経路・流入元・キャンペーンを入力して、URL・QRコード・ボタンを発行する |
| 数える | [分析]>[友だち]>[追加経路] | 経路ごとの友だち追加数とブロック数を、最大90日の期間で確認する |
| 使う | ステップ配信・オーディエンス | 特定の経路から追加した友だちを、ステップ配信や絞り込み配信の対象にする |
ここで扱うのはサイトへの訪問ではなく、友だち追加がどこで起きたかです。サイトの解析との組み合わせは後半で扱います。
この記事で扱う範囲
この記事は「経路をどう作り、どう測るか」に絞っています。 友だちを増やす施策そのものは友だちを増やす7つの施策、 配信からWebサイトでの購入・登録を測るタグはLINEのトラッキング設定、 指標の定義はLINE配信の指標まとめ、 追加直後に送るメッセージはLINEオンボーディング設計で扱っています。
自動で分類される友だち追加経路
何も設定しなくても、友だち追加はLINE側で経路ごとに分類されます。 公式マニュアルの「友だち追加経路一覧」の経路を、性質ごとにまとめると次のとおりです。
| 区分 | 経路名 | 中身(マニュアルの説明の要点) |
|---|---|---|
| LINEアプリ内 | 検索、友だち追加アイコン、ホームタブ、友だちタブ、おすすめの公式アカウント、公式アカウントリスト、連絡先シェア、トークルーム内ボタン | 検索欄やIDの検索、おすすめ公式アカウント、シェアされたアカウント情報などからの追加 |
| 自分で発行 | 友だち追加URL・QRコード・ボタン、友だち追加経路で設定した経路、LINE公式ポスター、LINE公式店舗案内ノベルティ | 友だち追加ガイドで作ったURL・QRコード・ボタン、ポスター、ノベルティからの追加 |
| 販促の機能 | クーポン、ショップカード、LINEタッチ | クーポンは2024年2月28日以降、ショップカードは2024年6月12日以降から集計。LINEタッチはNFCタグ経由 |
| 広告 | 友だち追加広告 | 友だち追加を目的とした広告や、管理画面から入稿する友だち追加広告からの追加 |
| LINEの他サービス | LINEスタンプ、LINE絵文字、LINEポイント、LINEで応募、LINEチラシ、LINE LIVE、LINE VOOM、LINE QUICK GAME、LINEミニアプリ、LINEコール、LINEログイン、Yahoo!ショッピング | それぞれのサービスを経由した追加 |
| その他 | その他 | LINE Beaconやモバイル端末以外からの追加など。「『その他』に該当するすべての経路は開示しておりません」 |
出典:「分析 - 友だち」(2026年11月時点)。区分は当サイトによるもの。
同じURL・QRコードは1つの行にまとまる
誤解されやすいのが「友だち追加URL・QRコード・ボタン」の行です。 マニュアルでは「[友だち追加ガイド]で作成したURLや友だち追加QRコード、ボタンから獲得した友だちの数です(クーポンQRコードを除く)」と説明され、 プロフィール内の「リンクをコピー」からの追加も含まれます(2024年11月13日以降から集計)。
同じQRコードをポスターにも自社サイトにも載せていると、どこから来た人もこの1行に合算されます。 置き場所ごとに分けたいなら、「友だち追加経路を設定」で別のURL・QRコードを作ります。 そこで作った経路は「友だち追加経路で設定した経路」として別に数えられます。
時期によって扱いが変わる経路
「ステップ配信」のマニュアルには 「2020年3月14日以前に友だち追加したユーザーには追加経路の情報がありません」とあり、クーポンのように集計の開始日が個別に決まっている経路もあります。
LINE VOOMは2026年9月30日に終了しました(告知)。 友だち追加広告の説明にある「LINE広告」も、2026年10月下旬頃に広告配信を停止する予定と案内されています(お知らせ、いずれも2026年11月時点)。 過去の期間と比べるときは注意してください。
経路を作る前に決めること
「友だち追加経路を設定」では、経路(必須)・流入元・キャンペーンの3つを入力します。 マニュアルの表示例では、経路に「ホームページ」、流入元に「メインバナー」「ストーリー投稿」、キャンペーンに「サマーセール」が使われています。 欄の使い方に決まりはないので、後で比べたい単位から逆算して割り当てます。
「20回」から粒度を決める
分ける細かさを決めるのは、分析画面の表示条件です。 マニュアルには、作った経路について 「選択した期間内の合計で、経路/流入元/キャンペーンのそれぞれについて、20回以上の友だち追加・ブロックが発生した場合のみ数値を確認できます」とあり、 20回未満は「その他」として集計されます。選べる期間は最大90日間です。
置き場所1つあたり、90日間で20回に届くかが分け方の目安です。 たとえば追加が月に5件程度の置き場所なら、90日でも15件前後で、単独の数字としては見えません。 そうした置き場所は、最初から1つの流入元にまとめておきます。
判定は経路・流入元・キャンペーンのそれぞれで行われ、マニュアルの例でも経路「ホームページ」は表示され、流入元の一部が「その他」にまとめられています。 まず経路の単位で比べられることを優先し、流入元は数字が出る範囲で分けます。
経路の台帳を自分で持つ
作った経路は、あとから一覧できるとは限りません。マニュアルの作成済み経路の一覧には 「ポスターやノベルティに設定した経路は表示されません」「2024年10月23日以前に作成された経路は表示されません」と注記されています(2026年11月時点)。
経路・流入元・キャンペーン、発行したもの(URL/QRコード/ボタン)、置き場所・掲載先、掲載期間、担当者を1行ずつ表にしておきます。 「HP」と「ホームページ」のような表記のぶれは突き合わせを難しくするので、名前の付け方も先に決めます。
友だち追加ガイドで経路別のURL・QRコードを作る手順
手順は公式マニュアル「友だち追加ガイド」のWeb版管理画面(PC)の記述に拠ります(2026年11月時点)。管理アプリの項には経路の設定の記載が見当たりません。
- 友だち追加ガイドを開く
QRコードやURLの発行、ポスターのダウンロード、ノベルティの購入ができる画面です。
「ホーム」>「友だち追加ガイド」 - 「友だち追加経路を設定」で作成済みの経路を確認する
作った経路の一覧が表示されます(ポスター・ノベルティの経路と、2024年10月23日以前の経路を除く)。二重に作らないよう台帳と見比べます。
- 「作成」を押し、経路・流入元・キャンペーンを入力する
計測したい経路(必須)、流入元、キャンペーンを入力し、「設定」を押します。名前は台帳の表記に揃えます。
- 表示されたURL・QRコード・ボタンを使い分ける
マニュアルには「表示されたURL・QRコード・ボタン経由で友だち追加したユーザーを設定した経路としてカウントします」とあります。SNSやメールにはURL、印刷物にはQRコード、Webサイトには「友だち追加」ボタンのHTMLを使います。
- 台帳に記録してから配布する
発行したものと置き場所を台帳に書き、印刷物は読み取ってアカウントのページが開くことを確かめてから刷ります。
ポスター・ノベルティとクーポンQRコード
友だち追加ガイドからは、ポスター(無償)のダウンロードと、三角POPなどのノベルティ(有償、認証済アカウントのみ購入可)の購入ができます。 どちらも「[流入元]と[キャンペーン]を設定すると、[分析]>[友だち]>[追加経路]でより詳細に友だち追加経路を確認できるようになります」とされ、 分析画面ではそれぞれ「LINE公式ポスター」「LINE公式店舗案内ノベルティ」の経路に入ります。
「クーポンQRコード」は、読み込むとクーポンが表示され、友だち追加するとすぐに使えるものです。マニュアルには「設定されたクーポンの有効期間が過ぎると、ユーザーはアカウントを友だち追加できなくなります」とあります。 長く置く印刷物に使うなら、有効期間と差し替えの時期を台帳に入れておきます。 クーポンの作り方はLINE公式アカウントのクーポン作成方法にまとめています。
分析画面「友だち追加経路」の見方
数字は[分析]>[友だち]>[追加経路]で確認します。画面にあるのは次の4つです。
- 円グラフ——全経路の友だち追加に対する、各経路の割合
- 折れ線グラフ——日ごとの友だち追加とブロック
- テーブル——選択した期間の、経路ごとの友だち追加とブロックの回数
- ダウンロード——「概要」(追加経路ごとの追加数とブロック数)と「日次データ」(日ごとの追加経路、追加数とブロック数)
期間は「最大90日間の期間選択が可能です」とされています(友だちの「概要」は最大397日間)。 集計は1日に1回で、「各指標の値の確認が可能なタイミング」によると 「前日分の実績値はおよそ翌日正午までに集計が完了します」(2026年11月時点)。
数字が出ない・「その他」になる条件
経路の画面には、プライバシーの観点から設けられた表示条件があります。「設定したのに数字が出ない」ときは、まず次に当たっていないかを確認します。
- 期間の合計が20回未満——作った経路・流入元・キャンペーンのうち20回に届かないものは確認できず、「その他」として集計
- その日が20回未満——折れ線グラフでは、その日は0回として表示
- フィルターで絞り込んだ——数値は50単位の概算値で表示
- 友だち期間90日以上の人のブロック——どの経路から来た人でも「その他」にカウント
出典:「分析 - 友だち」、「友だち追加ガイド」(2026年11月時点)。
マニュアルの例で読む
マニュアルには読み方の例が載っています。ある期間の「ホームページ」経路の追加は合計50回。 5月23日の40回は20以上なので折れ線グラフに出ていますが、残りの10回はほかの日に分かれ、どの日も20回未満のため0回として表示されています。 円グラフでは全経路の225回に対する50回として約22%、テーブルには50回と出ます。
小さな経路ほど、折れ線グラフでは実際より少なく見えます。比較は期間合計のテーブルか「概要」で行います。
ブロック数は「その期間に追加した人」のブロックではない
マニュアルには「ブロック数は、選択期間中のブロック数です。(選択期間中に友だち追加したユーザーのブロック数ではありません)」とあり、 友だち期間が90日以上あったユーザーのブロックは「その他」にカウントされます。 裏を返すと、各経路の行にあるのは友だちになって90日未満のうちにブロックした人の分です。 このため「その他」のブロックが追加より多く見えることがあり、マニュアルの「こんなときは?」でもその理由が説明されています。 ブロックの数え方はLINE配信の指標まとめで整理しています。
経路を配信に使う — ステップ配信とオーディエンス
店頭とWebサイトでは、追加した人が最初に知りたいことが違う場合があります。経路は配信の対象を分けるのにも使えます。
あいさつメッセージは全員共通
マニュアル「あいさつメッセージを設定する」には、 経路ごとに文面を変える設定の記載が見当たりません(2026年11月時点)。 あいさつメッセージはどの経路から来た人にも通じる文面にし、経路ごとの案内はステップ配信で分けます。
ステップ配信は追加経路を開始条件に選べる
ステップ配信は、マニュアルで「友だち追加した経路に応じて、追加してからの日数やユーザーの属性情報にあわせてメッセージ配信を設定しておくことができます」と説明されています。
- 開始条件——「友だち追加」か「オーディエンス」。友だち追加にした場合は「対象とする追加経路を選択します」
- 分岐の条件——「属性(性別/年齢/OS/エリア )およびオーディエンスが選択できます」。友だち追加経路のオーディエンスも使える
- 待ち時間——1〜30日。経路ごとに別のステップ配信を作れば、間隔も経路ごとに変えられる
- 注意——2020年3月14日以前に追加した友だちも対象にしたい場合は「すべての経路」を選ぶ
組み方と分岐の作り方はLINEシナリオ配信の作り方で詳しく扱っています。
友だち追加経路のオーディエンス
「オーディエンス」のマニュアルには、 「特定の経路で友だち追加したユーザーを対象にしたオーディエンス」として友だち追加経路のタイプがあります(2026年11月時点)。 タイプを選んで名前を入れ、対象期間を選んで検索すると期間中に追加された経路の一覧が出るので、そこから選んで保存します。
- 「その他」の経路は対象外。期間は「90日以内の選択が可能です」とされ、2020年3月15日以降から選べる
- 配信に利用するにはサイズ50以上が必要。選択できるのもサイズ50以上の経路のみ
- 新規作成から180日間有効(チャットタグ・ウェブトラフィック以外のオーディエンスの規定)
作ったオーディエンスは絞り込み配信の配信先に、1つのメッセージに10個まで指定でき、それぞれ「含める」「除外する」を選べます。 掛け合わせる場合は、結果が50人以上かつ各オーディエンスの有効な友だちが50人以上でないと配信できません。 「店頭で追加した人を除き、Webサイトから追加した人だけに送る」といった指定は、この組み合わせで作れます。
マニュアルで確認できなかった点
自分で設定した経路が、ステップ配信やオーディエンスの選択画面に流入元・キャンペーンの単位まで分かれて出るか、作成後に追加された友だちがオーディエンスに反映されるかは、公式マニュアルに記載が見当たりません(2026年11月時点)。 配信を分ける前提で印刷物を作るなら、先にテスト用の経路で選択画面を確かめてください。 これから増える友だちに送り続けるなら、開始条件を「友だち追加」にして追加経路を選ぶステップ配信が、マニュアルの記述に沿った組み方です。
Webサイトからの流入をUTM・計測タグと組み合わせて見る
Webサイト経由の友だち追加は、3つの区間に分けると、どの道具で何を見るのかが整理できます。
- 広告・SNS・メール → 自社サイトGA4とUTMパラメータサイトへの訪問がどこから来たか
- 自社サイト → 友だち追加経路別の友だち追加URLと、GA4の離脱クリックサイトのどの置き場所から追加されたか
- 配信 → サイトでの成果計測タグ/LINE Tagどの配信が購入・登録につながったか
区間1:サイトへの訪問はUTMで分ける
広告・SNS・メールから自社サイトへのリンクにはUTMパラメータを付け、GA4で訪問の出どころを区別します。 Googleのヘルプ「URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する」には 「URL にパラメータを追加する際は、どのようなケースでも utm_source、utm_medium、utm_campaign を使用する必要があります」とあり、 値の大文字と小文字は区別されます(2026年11月時点)。 UTMが区別するのはサイトへの訪問で、LINEの画面で置き場所を分けるのは次の区間の経路別URLです。
区間2:サイト内の置き場所は経路別URLで分ける
サイトに友だち追加の導線を置くなら、経路を「自社サイト」、流入元を「ヘッダー」「記事下」「料金ページ」のように分け、それぞれ発行されたURLかボタンのHTMLを使います。 追加経路の画面で、置き場所ごとの追加数が分かります(20回の表示条件は同じ)。
GA4側では、拡張計測機能の「離脱クリック」が使えます。 Googleのヘルプ「拡張計測機能イベント」によると、離脱クリックは 「ユーザーが現在のドメインから移動して別のウェブサイトに移動するリンクをクリックするたび」に記録されます。 ディメンション「リンク URL」は「ディメンションと指標」で 「アウトバウンド リンクまたはファイル ダウンロード用の完全な URL」と説明されています(2026年11月時点)。 置き場所ごとにURLが違うので、どの置き場所のリンクが何回押されたかを、「セッションの参照元 / メディア」と並べて見られます。
GA4が数えるのはリンクが押された回数、LINEが数えるのは実際に追加された回数で、2つは一致しません。 差が大きい置き場所は、ボタンの近くで「追加すると何が届くのか」を説明できているかを見直す手がかりになります。
区間3:追加したあとの配信の成果はタグで測る
LINE公式アカウントのトラッキングは、マニュアルで 「配信したメッセージを経由して Web サイトで発生した成果(コンバージョン)の計測や、オーディエンスの蓄積に利用できるタグを管理します」と説明されています。 見ているのは「配信 → サイト」の向きで、「サイト → 友だち追加」ではありません(2026年11月時点)。
経路と組み合わせるなら、タグの情報から作るウェブトラフィックのオーディエンス(特定のページにアクセスした人などが対象)を、友だち追加経路のオーディエンスと掛け合わせます。 「自社サイトから追加した友だちのうち、料金ページを見た人」に絞って送る、といった指定になります。 計測タグの利用には認証済アカウントであることなどが条件で、LINE Tagは「将来的に提供を終了する予定です」と案内されています。 タグの選び方と設置はLINEのトラッキング設定にまとめています。
3つの数字は一致しない前提で使う
GA4、LINEの追加経路、タグは、それぞれ別のものを別の数え方で数えています。 標準機能の範囲では、GA4で見た訪問者とLINEの友だち一人ひとりを結びつける機能もマニュアルに見当たりません。 置き場所どうし、経路どうしを、同じ道具の中で比べると決めておくと迷わずに済みます。
測った結果の使い方 — 経路別のブロックと反応を比べる
追加数だけで比べると、特典目当てで追加してすぐにブロックする人が多い経路が、よい経路に見えることがあります。 「追加した人がそのあとどうしたか」も見ますが、標準機能で見られる範囲は限られます。
- 経路ごとの友だち追加数とブロック数(最大90日)
- 経路のオーディエンスに分けて送った配信の開封・クリック
- 経路ごとに作ったステップ配信の、ステップごとの配信数・開封率・クリック率(配信数以外は推定値)
- 友だち追加広告のインプレッション・友だち追加数・友だち追加率・友だち追加単価
- 「ブロック率」という指標(自分で計算する)
- その期間に追加した人のうち、何人がブロックしたか
- 友だち期間90日以上の人のブロックを経路別に見ること
- 経路ごとの来店・購入・売上
- 20回未満の経路・流入元・キャンペーンの数値
出典:「分析 - 友だち」、「分析 - ステップ配信」、「分析 - メッセージ配信」(2026年11月時点)。
経路別のブロックは「比」で見る
経路の画面には追加数とブロック数が並ぶので、次の比を自分で出せます。
厳密な「その経路から来た人のブロック率」ではありません。前提は次のとおりです。
- 分子と分母は同じ人の集まりではない——期間より前に追加した人のブロックも入るため、追加が急に増えた直後は低めに、止まったあとは高めに出やすい
- 友だちになって90日未満のブロックを見ている——90日以上の友だちのブロックは「その他」に入る
- 同じ期間・同じ長さで比べる——前の期間と比べるときも長さを揃える
経路別の反応は「配信を分けて」比べる
メッセージ配信の分析画面にはセグメント別の表示がありますが、マニュアルには「セグメントは最大1件まで選択可能」とあるだけで、 選べるセグメントに追加経路が含まれるかの記載は見当たりません(2026年11月時点)。 確実に比べるなら、同じ内容のメッセージを経路ごとのオーディエンスに分けて配信します。 経路ごとにオーディエンスを作り(配信に使えるのはサイズ50以上)、同じ内容・同じ日時で、オーディエンスを「含める」に指定して1本ずつ配信し、配信ごとの開封率・クリック率を並べます。 結果が20未満だと開封は「0」、ほかの指標は「ー」と表示されるので、人数の少ない経路は比べられません。
通数は「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」で数えられます(料金プラン、2026年11月時点)。 同じ人たちに1回ずつ送るなら、1本で送っても経路ごとに分けても、通数の合計は変わりません。
結果の読み方
確かめるときは一度に1つだけ変え、同じ長さの期間で比べ直します。
- 追加は多いがブロック比も高い——追加のきっかけ(特典など)と届く内容が噛み合っていない可能性。その経路向けのステップ配信で最初の数通を変えてみる
- 追加は少ないが反応がよい——関心の高い人が来ている可能性。同じ媒体の中で置き場所や掲載を増やせるか検討する
- 数字が「その他」に埋もれる——分けすぎか期間が短い。流入元をまとめ、期間を90日まで広げる
仮説を立てて確かめる進め方はLINE配信のPDCAの回し方、 ブロックを増やさない配信はブロック率を下げる配信設計で扱っています。
来店・購入まで経路別に追いたいとき
標準機能で経路別に見られるのは、追加・ブロックと配信への反応までで、その後の来店や購入の違いは見られません。 ここから先は、自社の会員データとLINEの友だちを結びつけてMessaging APIで開発するか、外部のCRMツールを使うことになります (つなぎ方はLINEとCRMの連携方法)。 たとえばEngage Ch®の経路分析では、流入元ごとに固有のQRコード・URLを発行して友だち追加時に流入元タグを自動で付け、 追加後の来店・購入・アンケート回答まで流入元別に追跡できます。
よくあるつまずき
- 置き場所を細かく分けすぎて、どれも「その他」になる
経路・流入元・キャンペーンは、期間内にそれぞれ20回に届かないと「その他」にまとめられます。 対処:90日で20回に届く単位まで流入元をまとめる。まず経路の単位で比べる
- 同じQRコードを全部の印刷物に使い回している
経路を設定していないURL・QRコードは、どこに置いても「友だち追加URL・QRコード・ボタン」の1行に合算されます。 対処:比べたい置き場所ごとに「友だち追加経路を設定」で別のURL・QRコードを作る
- どのQRコードがどの経路か分からなくなる
ポスター・ノベルティの経路と、2024年10月23日以前に作った経路は、作成済みの一覧に表示されません。 対処:発行した時点で、経路名と置き場所・期間を台帳に書く
- クーポンQRコードの有効期間が切れたまま置かれている
クーポンの有効期間が過ぎると、そのQRコードからは友だち追加できなくなります。店頭に置きっぱなしのPOPほど気づかれにくい失敗です。 対処:有効期間と差し替え日を台帳に入れ、終了日の前に貼り替える
友だち追加経路に関するよくある質問
Q. 友だち追加経路はどこで確認できますか?
管理画面の[分析]>[友だち]>[追加経路]で確認できます。 公式マニュアルでは「ユーザーが友だち追加およびブロックした経路の確認ができます」と説明されており、選べる期間は最大90日間です。 概要と日次データのダウンロードもできます。
Q. 作った経路の数字が出ず「その他」になるのはなぜですか?
回数が足りないためです。公式マニュアルには、選択した期間内の合計で経路・流入元・キャンペーンのそれぞれについて 「20回以上の友だち追加・ブロックが発生した場合のみ数値を確認できます」とあり、20回未満は「その他」として集計されます。 分けすぎていないか、期間が短すぎないかを確認してください。
Q. 置き場所ごとに別のQRコードを作るにはどうすればいいですか?
管理画面の[友だち追加ガイド]にある「友だち追加経路を設定」で「作成」を押し、経路(必須)・流入元・キャンペーンを入力して「設定」を押します。 表示されたURL・QRコード・ボタンから追加した人が、その経路として数えられます。 置き場所との対応表は自分で残します。
Q. 経路ごとに違うメッセージを送れますか?
ステップ配信と絞り込み配信で送れます。ステップ配信は開始条件を「友だち追加」にすると、対象とする追加経路を選べます。 「友だち追加経路」のオーディエンスを作れば、絞り込み配信の対象やステップ配信の条件にも使えます(配信にはサイズ50以上が必要)。 あいさつメッセージのマニュアルには、経路ごとに文面を変える設定の記載が見当たりません。
Q. 経路別のブロック率は見られますか?
ブロック率という指標はありませんが、経路ごとのブロック数は見られます。 ただしブロック数は「選択期間中のブロック数」で、その期間に追加した人のブロック数ではありません。 友だち期間が90日以上あった人のブロックは「その他」に数えられます。 経路ごとの追加数で割った比を、同じ期間どうしで比べる目安にします。
Q. 無料のコミュニケーションプランでも使えますか?
使えます。料金プランのページに「料金プランによって利用できる機能に差はありません。」と記載されています(2026年11月時点)。 ノベルティ(有償)の購入は認証済アカウントのみですが、経路の設定を認証済アカウントに限る記載はマニュアルに見当たりません。
まとめ
- 経路は自動で分類される。ただし経路を設定していないURL・QRコードは、どこに置いても1行にまとまる
- 置き場所ごとに分けるには、「友だち追加経路を設定」で経路(必須)・流入元・キャンペーンを入力して発行する
- 期間内に20回に届かない経路・流入元・キャンペーンは「その他」になる。期間は最大90日。分け方はここから逆算し、台帳を自分で持つ
- ブロック数は期間中に起きたブロックの数。経路別の比は同じ期間どうしで比べる
- 経路はステップ配信の開始条件と友だち追加経路のオーディエンスで配信に使える。あいさつメッセージは全員共通
- Webサイトからの流入は、訪問をUTM、置き場所を経路別URL、配信後の成果をタグで見る。数字は一致しない前提で使う
標準機能だけでも、経路を作り、数え、送り分けるところまではできます。 経路別の来店・購入まで比べるには会員データとの連携が必要で、流入元ごとに追加後の行動を追う仕組みは経路分析で、 友だちを増やす施策そのものは友だちを増やす7つの施策で紹介しています。
