LINEとECサイトの連携でできること|通知・会員連携・購買データ活用

ECサイトとLINE公式アカウントをつなぐと、注文・発送の通知、カゴ落ちのフォロー、再入荷のお知らせ、購入内容に合わせた案内をLINEで送れるようになります。ただし、注文や購買データに合わせて一人ずつ送るには「ECの会員とLINEの友だちが同じ人だと分かっていること」が前提で、送るメッセージの多くは通数にカウントされます。用途別のできること、会員連携の仕組み、通数の扱い、連携の型の選び方を、LINEとShopify・BASEの公式情報を確認しながら解説します。

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ECサイトとLINEをつなぐと何ができるか

LINE公式アカウントで分かるのは、開封やクリックといったLINEの中での反応です。 誰がいつ何を買ったか、カートに何が残っているか、いつ発送したかは、ECサイトの側にあります。 EC連携とは、この2つを同じ人について突き合わせ、送るきっかけや送り分けの条件に使えるようにすることです。

用途は大きく5つに分かれ、必要なデータと標準機能でできる範囲がそれぞれ違います。

用途送る内容ECから必要なデータ標準機能だけで
取引通知注文確認、支払いの案内、発送の連絡注文と配送の状態できない
カゴ落ちのフォローカートに残った商品のリマインドカートの中身と購入の有無近い形まで
会員連携連携済みと未連携の友だちでの出し分け会員IDとLINEのユーザーIDの対応できない
再入荷・購入後フォロー入荷のお知らせ、使い方の案内、次の提案在庫、入荷希望の登録、購入日一部
購買データでの出し分け買った商品・回数・金額に合わせた案内購入履歴一部

一人ずつ送る用途の土台にあるのは会員連携です。 Messaging APIで送る取引通知も購買データでの出し分けも、「会員Aさんは、LINEではこのユーザーIDの人」という対応が無ければ相手を特定できません。 検討は「何を送るか」より先に「どう紐づけるか」から始めます。

カゴ落ちの時間設計と文面はLINE×ECのカゴ落ち対策とECカゴ落ちのテンプレート、 小売・ECでの活用は小売・ECのLINE活用、 EC以外の顧客DB・CRMとの連携はLINEとCRMの連携にあります。

連携しなくてもできる範囲 — 標準機能でのEC活用

連携の前に、標準機能でECに使えるものを確認しておきます。 中心になるのは、ECサイトに設置する計測タグと、そこから作るウェブトラフィックオーディエンスです。

できること
  • 計測タグで、メッセージ経由の購入(コンバージョン)を計測する
  • 計測タグの情報から、特定のページにアクセスした人や特定のイベントを発生させた人のオーディエンスを作る(期間は1〜180日)
  • オーディエンスごとに「含める」「除外する」を選んで絞り込み配信する
  • 自社で抽出したユーザーIDのファイルをアップロードして配信対象にする
できないこと・制約
  • 注文や発送をきっかけに、その人へ自動で送る(ステップ配信の開始条件は「友だち追加」か「オーディエンス」)
  • 時間単位で追いかける(ステップ配信の待ち時間は1〜30日)
  • サイズが50未満のウェブトラフィックオーディエンスを配信に使う
  • ECの会員とLINEの友だちを管理画面だけで紐づける
  • 人ごとにリッチメニューを出し分ける(Messaging APIが要る)

出典:LINEヤフー for Businessの公式マニュアル「トラッキング(計測タグ・LINE Tag)」・「オーディエンス」・「絞り込み配信について」・「ステップ配信」(2026年11月時点)。

計測タグを使うには、マニュアルにある「ビジネスマネージャーの認証済み組織と接続していること」と「認証済アカウントであること」の2条件を満たす必要があります。 もう1種類のLINE Tagは「将来的に提供を終了する予定です」と記載されているため、これから設置するなら計測タグです。 設置の手順はLINEのトラッキング設定にまとめています。

標準機能で組める「近い形」

計測タグを置けば、次のような配信は連携なしで組めます。

  • カートを見たが買っていない人への案内——「カートページにアクセスした人」を含め、「購入完了のイベントを発生させた人」を除外して絞り込み配信する。
  • 購入した人へのフォロー——購入完了のイベントを発生させた人のオーディエンスに送る。ステップ配信の開始条件にすると「開始後、新たにオーディエンスに含まれたユーザー」も対象になるとマニュアルにありますが、選べるかは設定画面で確かめてください。
  • 特定の商品ページを見た人への告知——その商品のURLを指定したオーディエンスに、入荷やセールを知らせる。

ただし、これらは連携の代わりにはなりません。 マニュアルでは、オーディエンスを掛け合わせた結果が「50人以上」かつ各オーディエンスに有効な友だちが50人いなければ配信できず、作ったオーディエンスが有効になるまで数時間かかる場合があるとされています。 カゴ落ちを1時間後に追う使い方には向かず、どれだけ貯まるかも設置後にオーディエンスのサイズで確かめる必要があります。

会員連携 — ECの会員とLINEのユーザーIDを対応づける

Messaging APIで特定の人に送るには、ユーザーIDで相手を指定します。 LINE Developersのドキュメントでは、ユーザーIDは「ユーザーの一意な識別子」で、友だち検索に使うLINE IDとは異なるものと説明されています。 会員連携とは、このユーザーIDとECの会員IDを1対1で対応づけて保存することです。

紐づける方法は2つ

方法流れドキュメントにある条件・注意
LINEログイン会員登録やログインの画面に「LINEでログイン」を置き、ログインしたLINEアカウントのユーザーIDを会員と結びつけるIDトークンからユーザーIDを取得できる。「友だち追加オプション」で、同意画面にLINE公式アカウントの友だち追加を表示できる
アカウント連携LINE公式アカウントのトークで連携用のURLを送り、開いた先でECサイトにログインしてもらう(Messaging APIの機能)友だち追加している必要がある。連携トークンは10分間有効で1回のみ。いつでも連携を解除できるようにし、連携するときに解除できることを伝える

出典:LINE Developers「ユーザーアカウントの連携」・「友だち追加オプション」・「ウェブアプリにLINEログインを組み込む」(2026年11月時点)。

アカウント連携のドキュメントには、自前で連携を作ると、攻撃者が自分のLINEアカウントと他人のアカウントを連携させる危険があると書かれています。

プロバイダーをそろえないと、同じ人でもIDが一致しない

ドキュメントには、ユーザーIDは「同じユーザーであってもプロバイダーごとに異なる値が発行されます」と明記されています。 同じプロバイダーの配下なら、LINEログインとMessaging APIのチャネルで同じユーザーIDになります。

アプリやツールを入れる前に確認すること

ECのアプリやツールが用意したLINEログインのチャネルが、自社のLINE公式アカウントと別のプロバイダーにあると、 ログインで得たユーザーIDと、LINE公式アカウントから送るときのユーザーIDが一致しません。 友だち追加オプションも、Messaging APIのチャネルが「LINEログインのチャネルと同じプロバイダーに属していること」が条件です。 チャネルをどのプロバイダーに作るのかを、導入前に提供元へ確認してください。

連携していない友だちには、個別の通知が届かない

会員連携が済んでいない友だちには、ユーザーIDを指定して送る取引通知や購買データでの出し分けが届きません。 届けられる相手の数は、友だちのうち何人が連携済みかで決まります。 会員登録の画面、購入完了のページ、マイページ、リッチメニューなど、連携を案内する場所を複数用意しておきます。 人ごとにリッチメニューを変える方法はLINEリッチメニューの出し分けで扱っています。

会員情報とユーザーIDを結びつけて通知や案内に使うなら、その目的も会員に示しておきます。 個人情報保護法は、利用目的をできる限り特定すること(第17条)、取得した場合は利用目的を速やかに通知または公表すること、本人から直接書面(電磁的記録を含む)で取得する場合はあらかじめ明示すること(第21条)を定めています (e-Gov法令検索、2026年11月時点)。 プライバシーポリシーと連携画面に、LINEでの通知・案内に使うことと解除の方法を書いておき、自社のケースでの扱いは必要に応じて専門家に確認してください。

注文・発送の通知と、通数の扱い

LINE Developersのドキュメントでは、プッシュメッセージの使い道として「ショッピングサイトで商品を購入したユーザーに対して、商品の発送を通知する場合」が例に挙げられています。 確認したいのは、その通知が料金プランの通数にカウントされるかです。

送り方EC連携での例通数
プッシュ(Push API)注文確認、発送のお知らせ、カゴ落ちのリマインドカウントされる
マルチキャスト(Multicast API)入荷を待っていた複数の人へ一度に知らせるカウントされる
ナローキャスト・ブロードキャスト購入者で絞った案内、全員へのセールの告知カウントされる
管理画面のメッセージ配信絞り込み配信・ステップ配信カウントされる
応答(Reply API)トークで「注文状況」と送った人に状況を返すカウントされない
LINEチャット個別の問い合わせへのスタッフの返信カウントされない

出典:LINEヤフー for Business「料金プラン」、LINE Developers「Messaging APIの料金」・「メッセージを送信する」(2026年11月時点)。

応答メッセージは、発送の連絡には使えない

リファレンスには、応答トークンは「一度のみ使用できます」「Webhookを受信してから1分以内に使用する必要があります」とあります (Messaging APIリファレンス、2026年11月時点)。 発送のように時間が経ってから起きる出来事を知らせるには、プッシュが必要です。

そこで、「知らせる」と「聞かれたら答える」を分ける設計にします。 発送の完了はプッシュで知らせ、配送状況や注文履歴は、リッチメニューのボタンから照会してもらって応答で返します。 ボタンの操作で届くポストバックイベントにも「応答できます」とリファレンスにあります。

通数の見積もり方

取引通知の通数の見積もり(計算例)
計算式
連携済みの購入者からの注文件数 × 1注文あたりの通知の回数
例
注文が月1,000件で、注文確認と発送のお知らせの2回を送るなら月2,000通
足すもの
カゴ落ちのリマインド、再入荷のお知らせ、通常のメッセージ配信

無料メッセージ通数は、コミュニケーションプラン(月額0円)が月200通、ライトプラン(5,000円)が5,000通、スタンダードプラン(15,000円)が30,000通です(税別)。 追加メッセージはスタンダードプランだけで、2026年10月1日の改定後は月20万通まで1通3円、超えた分は1通2.5円(税別)です (LINEヤフー for Businessのお知らせ、2026年11月時点)。

通数は「メッセージの送信対象となった人数」で数え、1回のリクエストに入れたメッセージオブジェクト(吹き出し)の件数は影響しません。 注文確認と支払いの案内は1回にまとめます。 ブロック中など届かない相手への送信はカウントされません。

上限に達すると、通知も止まる

ドキュメントには、当月の上限を超えて送ろうとすると「エラーレスポンスが返りメッセージは送信されません」と書かれています。 追加メッセージを使えないプランでは、月末にセールの配信で通数を使い切ると、そのあとの発送のお知らせが届かなくなります。 スタンダードプランでも、追加メッセージを送るには上限目安の設定が必要とされているため、その上限に余裕があるかを見ておきます。

取引通知の分を先に確保する

月の通数の予算は、取引通知の見込みを先に差し引き、残りを販促に回します。 当月の利用状況はMessaging APIで取得できるため、残量の確認を連携の仕組みに組み込んでおくと安全です。 メールなど既存の通知は、LINEで安定して届くと確かめるまで止めないでください。 通数全体の考え方はLINE公式アカウントの料金の最適化にまとめています。

友だちでない購入者には「LINE通知メッセージ」

友だち追加していない購入者には「LINE通知メッセージ」があります。企業が持つ電話番号とLINEに登録された電話番号を照合して送るサービスで、公式サイトのユースケースにはECの「購入完了」「発送完了」が挙げられています。

  • 使える企業——LINE公式アカウントが認証済アカウント(サービスページではプレミアムアカウントも可。プレミアムアカウントは2026年4月1日に認証済アカウントへ統合)で、プロバイダーが認証プロバイダーであり、LINEヤフーが認定したパートナー経由で発注する企業に限られます。
  • 送れる内容——ガイドラインの基準に適合したメッセージに限られ、広告目的のものは配信されません。
  • 届く条件——電話番号が一致し、ユーザーが受信に同意していて、送信元のLINE公式アカウントをブロックしていないことなどです。
  • 料金——2025年6月のリニューアルで月額固定のプラン(規定の通数を超えると従量課金)になったと発表されています。請求は実際に送信されたメッセージだけが対象で、金額はパートナーに確認します。

出典:LINEヤフー for Business「LINE通知メッセージ」・リニューアルのお知らせ(2025年6月16日)、LINE Developers「LINE通知メッセージの概要」・「技術仕様」(2026年11月時点)。

用途別の組み方 — 何をきっかけに、何を送るか

取引通知以外の4つの用途について、組むときの判断を整理します。ECのデータで一人ずつ送る場合、相手は会員連携が済んだ友だちに限られます。

カゴ落ちのフォロー(要点)

カゴ落ちのフォローは、カートに入れたときの関心が残っているうちに届けたい施策です。 標準のステップ配信は日単位なので、時間単位で追うにはカートの状態をECから受け取る連携が必要です。 対象は「カートに入れて購入が無いまま一定時間が経った人」、除外は「その間に購入した人」です。 何回・何時間後に送るかの設計はLINE×ECのカゴ落ち対策、文面はECカゴ落ちのテンプレートにあります。

再入荷のお知らせ

必要なのは、誰がどの商品の入荷を待っているかの登録と、在庫が戻ったことを知る仕組みです。 希望者が複数なら、ユーザーIDを指定して一度に送れるマルチキャストが使えます(通数は人数分)。 標準の配信機能の説明には、希望者を登録して入荷時に自動で送る機能は見当たりません。 標準機能では「その商品ページにアクセスした人」に告知する形が近いですが、ページを見た人と入荷を待つ人は同じではありません。

購入後のフォロー

発送や配達の完了から日数を数え、使い方や手入れの案内、問い合わせ先、次の提案を順に送ります。 初めて買った人には使い方を先に、リピーターには関連商品や定期購入の案内を早めに置けるよう、購入回数で分けて設計します。 分岐の組み方はLINEシナリオ配信の作り方で扱っています。 標準機能でも購入者に絞った配信は組めますが、発送日を起点に日数を数える配信と購入回数での分岐は、データをECから受け取る連携の側で組みます。

購買データでの出し分け

買った商品・カテゴリ・回数・金額・最後に買った日は、LINEのみなし属性(性別・年齢などの推定値)と違い、実際の行動の記録です。 「このカテゴリを買った人にだけ新作を案内する」「半年買っていない人にだけ声をかける」といった出し分けに使えます。 購入の新しさ・頻度・金額で顧客を分ける手法はRFM分析入門で解説しています。

標準機能で行うなら、対象者のユーザーIDをファイルでアップロードしてオーディエンスにします。 ただしユーザーIDの取得手段としてドキュメントに示されているのはWebhookとMessaging APIで (「ユーザーIDを取得する」、2026年11月時点)、会員連携が無ければ抽出した会員を送る相手に変換できません。

送る条件と同じだけ、外す条件も決めておきます。 直前に買った商品の割引案内を止めるには、直近の購入や定期購入の契約中といったデータも受け取れる必要があります。

連携の型 — ECのアプリ・Messaging API・CRMツールを比べる

ECとLINEをつなぐ方法は3つの型に分かれます。 扱いたいデータの範囲と、開発・保守を誰が持つかで選びます。

観点ECのアプリ・拡張機能Messaging API(自社開発)CRMツール
必要なものECのアプリストアでの導入開発体制とWebhookを受けるサーバーツールの契約とECとの連携設定
始めるまでの手間小さい。設定が中心大きい。設計・開発・テストが要る中くらい。要件の確認と設定
できることの範囲アプリが用意した機能までLINEの仕様の範囲で自由に作れるツールの機能と、連携できたデータの範囲
扱えるデータ主にそのECのデータ自社が持つデータすべてEC+POS・予約・会員DBなど連携したもの
運用・保守アプリの提供元自社ツールの提供元と自社の設定
向いている場面ECが1つで、通知とカゴ落ちから始めたい独自の業務の流れや、既存システムとの密な連携が要る店舗とECの両方があり、顧客をまとめて見たい

型ごとの性質を整理した目安です。個々のアプリ・ツールの機能と条件は、提供元の情報で確認してください。

選ぶときは、次の3つを問います。

  • データはECの中だけにあるか——店舗のPOSや予約システムの記録も条件に使いたいなら、ECのアプリだけでは足りません。
  • 欲しいのは定番の機能か——取引通知・カゴ落ち・再入荷は、次章で見るアプリの掲載ページでも機能として挙げられています。自社で作る前に、アプリやツールで足りるかを確かめます。
  • 開発と保守を持てるか——自社開発は、Webhookの受信、連携の解除への対応、通数の監視まで動かし続ける体制が要ります。

CRMツールの例として、Engage Ch®では、ECサイトとの動的連携でカート放棄を検知して自動で配信したり、 購入商品・カテゴリ・金額帯を顧客属性として保持して関連する商品だけを案内したりできます。 連携の可否と方式は対象のシステムがAPIやデータ出力に対応しているかで変わり、費用は個別のお見積りです(外部連携)。 ECサイトを持たずにLINEの中で売る場合は、Engage Chの決済ミニアプリで、単品・定期購入と個数を選べる商品ページ、クレジットカードに加えて後払い・代金引換の支払い方法、注文確認メッセージの送信までを扱えます(既存のECサイトとの併用も可能)。

ShopifyとBASEで連携する場合

以下は、ShopifyとBASEの公式ヘルプと公式アプリストアで確認できたことです(2026年11月時点)。機能や料金は変わるため、導入前に最新の記載を確認してください。

Shopifyの場合

公式のShopify App Storeには、LINE公式アカウントとの連携をうたうアプリが複数あり、掲載ページの説明には次のような機能が挙げられています。

  • LINEログインなどで、Shopifyの顧客とLINEの友だちを紐づける(メールアドレスで照合すると説明しているものもある)
  • カゴ落ちのリマインド、注文確認・発送完了の通知、再入荷の通知
  • 購入や発送をきっかけにしたステップ配信、購入回数や金額で絞ったセグメント配信

料金の基準も、ID連携したユーザー数に応じて段階が変わるもの、月額制のものなどさまざまです。 比較では、機能の一覧より先に次の3点を確認します。

  • 紐づけの方法——LINEログインか、メールアドレスなどでの照合か。どの画面で連携を案内できるか。
  • チャネルを置くプロバイダー——自社のLINE公式アカウントと同じプロバイダーで動くか。
  • LINE側の通数——送り方が通数の対象なら、アプリ経由でもLINEの料金プランの通数を使います。両方の料金で見積もります。

BASEの場合

BASEの標準機能では、ショップ設定の「SNS設定」にLINE公式アカウントのIDを入力すると、ABOUTページにアイコンが表示され、ショップから連携先のアカウントへ移動できます (BASEヘルプ)。 これは友だち追加への入口で、顧客情報の連携ではありません。

顧客情報との紐づけや配信は、BASE Apps(拡張機能)のLINE連携のAppが担います。 掲載ページの機能概要には、LINE友だちとBASEの顧客情報の紐付け、「カゴ落ちから◯時間後」などの配信、購入や発送をきっかけにしたステップ配信、再入荷通知、LINE経由の注文の計測などが挙げられ、使い方は次の4段階と示されています。

  1. App側にメールアドレスを登録する
  2. 「BASEと連携する」ボタンを押して連携を完了する
  3. App側に、LINE公式アカウントを連携するための情報を入力する
  4. BASEに「HTMLタグ管理App」をインストールしてタグを設定する

同じページには「LINE公式アカウントを保有されていない場合、別途ご用意いただく必要があります」とあり、App一覧での表示は「無料」「Apps内課金あり」です。 LINEの計測タグを自分で置くなら、任意のHTMLタグを設置できる「HTMLタグ管理」AppがBASE Appsにあります。設置後は、オーディエンスのサイズで記録されているかを確かめてください。

LINE連携のアプリが無いECでは、Messaging APIでの開発かCRMツールになり、まず注文・発送・カートの情報をAPIやデータ出力で外に出せるかを確かめます。

連携を始める前に決めること

紐づけの経路やプロバイダーは、つないだあとで変えると手戻りが大きい項目です。始める前に次の7項目を埋めてください。

EC連携の事前チェック
1. 最初の用途
取引通知・カゴ落ち・再入荷などから1つ選ぶ
2. 紐づけの経路
LINEログインか、アカウント連携か、アプリの方式か。どの画面で案内するか
3. プロバイダー
ログインやアプリのチャネルが、自社のLINE公式アカウントと同じプロバイダーにあるか
4. 利用目的の表示
プライバシーポリシーと連携画面に、LINEでの通知・案内に使うことと解除の方法を書いたか
5. 通数の予算
取引通知の見込みを先に差し引いたか。無料通数や追加メッセージの上限目安に余裕があるか
6. 止める条件
購入したらカゴ落ちの配信を止める、解除やブロックで対象から外す、を何で判定するか
7. 測り方
LINE経由の購入を何で数えるか。友だちのうち連携済みの割合を毎月見るか

6の「止める条件」は、データが届く速さに左右されます。購入の情報が届くのが遅いと、買った直後の人にカゴ落ちのリマインドが届くため、方式を比べるときはデータが届く速さも確認してください。 測り方の指標はLINE配信の指標まとめ、改善の回し方はLINE配信のPDCAの回し方を参照してください。

LINEとEC連携に関するよくある質問

Q. 注文確認や発送通知をLINEで送ると、メッセージ通数にカウントされますか?

Messaging APIのプッシュメッセージで送る場合はカウントされます。 料金プランの通数としてカウントされないのは応答メッセージ(Reply API)で、応答トークンはWebhookを受信してから1分以内に使う必要があるため、発送のように時間が経ってから起きる出来事の通知には使えません。

Q. 管理画面だけで、購入した人に自動でメッセージを送れますか?

注文や発送そのものをきっかけに一人ずつ送ることはできません。 ECサイトに計測タグを設置すれば、購入完了などのイベントを発生させた人をウェブトラフィックオーディエンスにして絞り込み配信に使えますが、配信にはオーディエンスのサイズが50以上必要です。

Q. ECの会員とLINEの友だちは、どうやって紐づけますか?

LINEログインを使う方法と、Messaging APIのアカウント連携を使う方法があります。どちらもECの会員IDとLINEのユーザーIDを対応づけて保存します。 ユーザーIDは同じ人でもプロバイダーごとに違う値になるため、チャネルを同じプロバイダーにそろえることが前提です。

Q. BASEとLINE公式アカウントを連携するには何を使いますか?

BASEの標準機能では、ショップ設定の「SNS設定」にLINE公式アカウントのIDを入力すると、ABOUTページからアカウントへ移動できるようになります。 顧客情報との紐づけや配信は、BASE Appsに掲載されているLINE連携のAppが担います。LINE公式アカウントは別途用意する必要があります。

Q. ShopifyでLINE連携をするにはどうすればよいですか?

Shopify App Storeに、LINE公式アカウントとの連携をうたうアプリが複数掲載されています。 紐づけの方法と料金の基準はアプリごとに違うため、その2点と、送り方によってはLINE側の通数も使う点を確認して選びます。

Q. 友だちになっていない購入者にも、発送の通知を送れますか?

「LINE通知メッセージ」なら、企業が持つ電話番号とLINEに登録された電話番号を照合して送れます。 利用できるのは認証済アカウントなどの条件を満たし、LINEヤフーが認定したパートナー経由で発注した企業に限られ、広告目的のメッセージは配信されません。

まとめ

ECサイトとLINEを連携するときの要点を整理します。

  • 連携でできるのは、取引通知・カゴ落ち・会員連携・再入荷と購入後フォロー・購買データでの出し分けの5つ
  • 注文・購買データで一人ずつ送るには、ECの会員IDとLINEのユーザーIDの対応づけ(会員連携)が前提。方法はLINEログインかアカウント連携で、チャネルは同じプロバイダーにそろえる
  • 標準機能でも、計測タグとウェブトラフィックオーディエンスで近い配信は組めるが、50人以上が必要で時間単位では追えない
  • 注文・発送の通知はプッシュになり、通数にカウントされる。上限に達すると通知も送れないため、取引通知の分を先に確保する
  • 連携の型はECのアプリ・Messaging APIでの自社開発・CRMツール。扱いたいデータの範囲と、開発・保守を誰が持つかで選ぶ

最初の一歩は、1つの用途を選び、会員連携の経路とプロバイダーを決めることです。 EC以外の顧客データとの連携はLINEとCRMの連携をあわせてご覧ください。

この記事を書いた人

LINE CRM Insights 編集部

LINE公式アカウントを「配信して終わり」にしないための実践メディア「LINE CRM Insights」の編集部です。 LINE CRM プラットフォーム Engage Ch® の開発と運用支援で得た知見をもとに、 配信の設計から効果測定まで、日々の運用で判断に迷うところを手順と数値の見方に落として解説しています。

Engage Ch® — LINE CRM プラットフォーム

ECの購買データを、LINEの配信条件に

Engage Ch®なら、ECサイトとの連携で購入履歴やカートの状態を取り込み、
カゴ落ちのフォローや購買履歴に合わせた案内を出し分けられます。

  • ✅ ECサイトの購入履歴・購入金額・カート状態を取り込む連携
  • ✅ カート放棄を検知して自動で配信
  • ✅ 購入商品・カテゴリ・金額帯を顧客属性として保持
  • ✅ 会員DBと突合した会員/非会員の出し分け
  • ✅ LINE上で商品の販売から決済まで完結する決済ミニアプリ