LINEチャットでできること — この記事が扱う範囲
LINEチャットは、LINE公式アカウントから友だち一人ひとりとトークでやりとりする機能です。 公式マニュアルでは「ユーザーからの商品やサービスに対する問い合わせ対応などをチャットでやりとりができます」と説明され、 画像・動画・ファイルの送信や、グループチャットでの対応もできます。
| 手段 | やりとりの形 | 通数のカウント | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| メッセージ配信 | 1対複数 | カウントされる | キャンペーンの告知、営業時間の変更 |
| LINEチャット | 1対1(グループも可) | カウントされない | 個別の問い合わせ、予約の調整、相談 |
| 応答メッセージ | 受信に自動で返信 | カウントされない | 営業時間・アクセスなど答えが決まった質問 |
出典:料金プラン(メッセージのカウント方法)、公式マニュアル「チャット」(2026年11月時点)。
料金プランのページには「LINEチャットの送受信や自動応答メッセージなどの機能は無料で活用できます」とあります。 1人との往復が何度続いても通数は増えないので、個別の用件はチャットに寄せるのが素直な分け方です。
この記事は、人がチャットで対応する運用——誰が、いつ、どう返し、答えられないときに誰へ回すか——に絞ります。 自動応答で問い合わせを減らす設計は LINEチャットボットで問い合わせ対応を自動化する方法、 タグ・ノートに何をどの粒度で持つかは LINEで顧客管理はどこまでできる?で扱っています。
チャットを始められる条件
チャットは、Web版管理画面の「設定」→「応答設定」で、「応答機能」のチャットをオンにすると使えます。 ヘッダーの表示が「チャット オン」になり、「チャット」タブからチャット画面が開きます。
ただしマニュアルには「チャットをオンにした後は、ユーザーからメッセージが届いた場合にのみ、チャットが可能になります」とあります。 相手とアカウントの状態によって、できることは次のように変わります。
| 相手・アカウントの状態 | チャットでできること |
|---|---|
| 友だちからメッセージが届いた | チャットルームが作られ、返信できる |
| 友だち追加済み・メッセージはまだ(認証済) | 連絡先の「チャット」ボタンから、店側が先に送れる(チャット開始機能) |
| 友だち追加済み・メッセージはまだ(未認証) | 店側からは始められない。一覧に出るのはメッセージを送ってきた人だけ |
| 友だち追加せずにメッセージを送ってきた | 「チャットのみのユーザー」になり、最終受信日時から7日以内のみ返信できる |
| ブロックした・退会した | 一覧に表示されない |
出典:公式マニュアル「チャット」・「チャットを有効にする」、「チャット開始機能」リリースのお知らせ(2026年11月時点)。
店側から始めるときの注意
チャット開始機能の対象は、お知らせでは「日本国内の認証済アカウント」です。 マニュアルは「ユーザーが必要とする情報やサービスの提供と異なる目的で、理由なくチャットを送信すること」と 「広告や宣伝目的でチャットを送信すること」を避けるよう求め、これらは「ブロックや通報の対象となる場合があります」としています。 告知は配信で、個別の用件はチャットでと使い分けてください。
「チャットで相談できる」ことを先に伝える
相手から1通目が届かないと始まらないため、LINEヤフーの公式コラムも、問い合わせや予約を受け付けていることを リッチメニューやあいさつメッセージで周知するよう勧めています。 リッチメニューには「チャットで相談」のボタンを置き(配置はリッチメニュー設計ガイド)、 あいさつメッセージには、どんな相談を受けるのかと返信する時間帯を書いておきます。
自社サイトのボタンには、トーク画面を直接開くURLが使えます。 https://line.me/R/oaMessage/%40の後ろに、ベーシックIDの「@」より後ろの文字列を付けます。 直接開くのはスマートフォンで開いたときだけです。
応答時間と自動応答の切り替え
チャット運用で最初に決めるのが、応答設定の「チャットの応答方法」です。 「応答時間」をオンにすると、応答時間内と時間外で応答方法を切り替えられます。 2026年3月25日更新の応答設定マニュアルと管理画面の説明では、次の組み合わせが選べます。
- 手動チャット担当者がすべて手で返す
- 手動チャット+応答メッセージ応答メッセージで自動返信しつつ、手でも送れる
- 手動チャット+AIチャットボット(β)基本的なやりとりはAIが返し、詳しいやりとりは手で送る
- 手動チャット+応答メッセージ+AIチャットボット(β)キーワードと完全一致すれば応答メッセージ、それ以外はAIが返す
- 応答メッセージ
- AIチャットボット(β)
- 応答メッセージ+AIチャットボット(β)
時間外でも、チャット画面から一時的に手動チャットへ切り替えられます。AIチャットボット(β)を含む選択肢は、それを利用している場合に選べます。
出典:公式マニュアル「応答設定」・「応答メッセージ」(2026年11月時点)。
いちばん素直な組み方は、応答時間内は「手動チャット」、時間外は「応答メッセージ」です。 時間内は担当者が返し、時間外は受付時間と返信の目安を書いた一律応答が返ります。
古い解説には「チャットと応答メッセージは併用できない」とするものがありますが、 現在の応答設定マニュアルには「チャットがオンの場合でも、応答時間機能を利用すると応答メッセージ・AIチャットボット(β)を利用できます」と記載されています。
応答時間の設定手順
- 「設定」→「応答設定」の「チャットの応答方法」で、応答時間をオンにする
- 応答時間の設定画面(チャット設定の「応答時間」)で曜日ごとのバーをクリックし、時間帯を決める(緑色が応答時間)
- 祝日の扱いを決める。祝日はアカウントの国・地域に基づいて判定され、曜日どおりの時間にするならこの設定は選ばない
- 応答設定に戻り、時間内と時間外の応答方法をそれぞれ選ぶ
臨時休業は「切り替える作業」を予定に入れる
マニュアルにある例外の設定は祝日の扱いだけで、臨時休業や年末年始のような任意の日を登録する設定は見当たりません(2026年11月時点)。 休業の前日までに応答設定を切り替える作業を、担当者と日付を決めて予定に入れます。 一律応答には期間を指定するスケジュール設定があり、キーワードに一致しないメッセージには 期間を指定した一律応答が最も優先して送られます。 休業のお知らせをこの形で作っておけば、応答メッセージが送られる設定の間、その期間だけ休業の案内が返ります。
お客様のトーク画面に出る表示
「応答状況の表示」を「表示する」にすると、トークルームのアカウント名の下に、その時点の応答方法に合わせたテキストが出ます (未認証アカウントは、この設定を変更できません)。 手動チャットなら「担当者が返信します」、利用中の応答メッセージがあれば「自動で返信しています」、 利用中の応答メッセージがない時間外は「現在は応答時間外です」、AIチャットボット(β)を含む設定なら「AIが自動で返信しています」です。
接客中で誰も返せない時間まで応答時間に入れると、「担当者が返信します」の表示が守れない約束になります。 応答時間は「営業時間」ではなく「チャットに返信できる時間」に合わせるのが基本です。
担当者が話している間だけ、自動応答を止める
時間内に「手動チャット+応答メッセージ」を選んで一律応答を使うと、一律応答は 「メッセージの内容に関わらずすべてのメッセージに対して返信されます」。 担当者とのやりとりの途中にも、お客様が送るたびに同じ自動返信が挟まります。
これを止めるのが「一時的に手動チャット」です。 手動チャットと応答メッセージを併用している場合や、時間外に応答メッセージで対応している場合に、 チャットルームの上部の表示から切り替えます。1時間で自動的に終わり、「手動チャットを延長」で最長7日間まで延ばせます。
対応を回すための機能
チャット画面には、問い合わせを取りこぼさずに回すための機能がそろっていて、ほとんどが無料の範囲で使えます。
| 機能 | できること | 上限・注意 |
|---|---|---|
| ステータス | チャットルームを「要対応」「対応済み」に振り分けて一覧する | 「受信」には対応済み・スパム以外が出る |
| 担当者 | メンバーから担当者を設定し、「担当」の表示で自分の分だけを見る | 未設定なら、最初にチャットを送信したメンバーが担当者になる |
| タグ | タグを付け、同じタグの人を検索する。オーディエンスにして配信にも使える | 無料:作成5個・1人1個 チャットPro:作成300個・1人30個 |
| ノート | 好みや経緯、引き継ぎ事項を書き残す | 無料:1件 チャットPro:1,000件(各チャットルーム) |
| 定型文 | 作成済みの定型文・カードタイプメッセージ・クーポンを送る | 定型文の作成上限は200個 |
| 予約送信 | 指定した日時に送る。送信前なら編集・削除できる | 同時に50件まで。チャットがオフだと送信されない |
| プレビュー | 既読を付けずに受信内容を確認する | 未読バッジは残る |
出典:公式マニュアル「チャット」・「チャット設定」・「各機能の作成上限数」(2026年11月時点)。
複数人で回すときに効く仕組み
担当が2人以上になると、「誰かが返しただろう」という見落としと、同じ相手への二重返信が起きやすくなります。
- 1人ずつメンバー登録する——「設定」→「権限管理」から追加します。1アカウントに100人まで登録でき、権限の種類ごとの操作は追加画面の表で確認できます。
- 入力中の表示——別のメンバーが入力していると、入力中の状態と名前が表示されます。ただし別のビジネスIDでログインしている場合だけで、同じIDでログインを共有していると出ません。
- メッセージリンク——メッセージのリンクをコピーできます。アカウントの権限を持つ人が開くと該当のメッセージが表示されるので、社内で相談するときに、どのやりとりかをそのまま渡せます。
チャット画面からの「絞り込み配信」は通数に数えられる
チャット画面には、タグで管理しているユーザーのグループを最大10まで選んで送る「絞り込み配信」があります。 マニュアルには「このメッセージは配信数にカウントされます」「配信したメッセージはチャット画面には表示されません」とあります。 画面はチャットの中ですが、扱いはメッセージ配信です。
無料の範囲とチャットProオプションの違い
チャットProオプションは、LINEヤフーの説明では「チャット機能のビジネス用途での利用をより一層充実させるオプションサービス」です。
| 項目 | 基本機能(無料) | チャットProオプション |
|---|---|---|
| 月額費用 | 0円 | 3,000円(税別) |
| 履歴の保存期間 | 6か月 | 5年間 |
| 履歴のダウンロード | 不可 | 直近5年間をCSVで(作成は1週間に1度まで) |
| タグ(作成数/1人への付与数) | 5個/1個 | 300個/30個 |
| ノート(各チャットルーム) | 1件 | 1,000件 |
| 追加機能 | なし | AIチャットボット(β)、カスタムフィルター |
出典:チャットProオプション、料金プラン、CRMオプション、公式マニュアル「チャット設定」(2026年11月時点)。
保存期間は2024年1月1日以降の履歴が対象で、グループ・複数人トークの画像や動画(2週間)とファイル(1週間)はオプションの有無に関わらず同じです。 オプションは料金プランに関係なく契約できます。 CRMオプション(月額5,000円・税別)にはチャットProオプションが含まれ、チャットProを単体で契約中なら、解約してからCRMオプションを申し込むよう案内されています。
チャットProが要るかどうかの判断
問い合わせの量より、無料の上限に運用上どこで当たるかで決めるのが確実です。 1人に2つ以上のタグを付けたい(関心と対応の段階を同時に持つなど)、半年より前のやりとりを見返す(保証や契約)、 「見積もり中」「日程調整中」のように一覧を分けたい(カスタムフィルター)、AIチャットボット(β)を使いたい——このどれかに当たれば検討の対象です。 どれにも当たらないうちは無料の範囲で始め、上限に当たってから付ければ足ります。
運用体制の作り方 — 担当・応答時間・時間外・エスカレーション
LINEヤフーの公式コラムは「ユーザー側は対応している人が誰なのかは分かりません」として、 担当者が複数いる場合は返信内容や対応方法を統一する必要があるとしています。 例に挙がっているのは、問い合わせには◯分以内に返事をする、必ずあいさつを入れる、呼称を「◯◯さま」で統一する、といったルールです。 これを1枚にまとめておくと、担当が替わっても対応がぶれません。
担当は「最初に返した人」に任せない
担当者を設定しないと、最初にチャットを送信したメンバーが担当者になります。 たまたま手が空いていた人の「担当」に積み上がり、その人が休みの日に返事が止まります。 届いた時点で担当者を設定する受付役を置くか、曜日で担当を分けるかを決めておきます。
応答時間は、受信が集まる時間帯から決める
「分析」の「チャット」には曜日・時間帯別のチャット受信があり、曜日・時間ごとに、 メッセージを受信したチャットルーム数と受信メッセージ数の平均を色の濃さで確認できます。 問い合わせが集まる時間帯と、返信できる人がいる時間帯を見比べて、応答時間と人の配置を決めます。 サロンのように施術中は返せない業種の組み方は 美容室・サロンのLINE活用の「指名・担当制とチャット対応」で扱っています。
同じ画面では、やりとりがあったチャットルームの数(アクティブルーム)と送受信メッセージ数も見られます。 一方、返信までにかかった時間を示す項目は、分析のマニュアルに見当たりません(2026年11月時点)。 返信の目安を決めたなら、週に1度、「要対応」に残っている件数と約束の時刻を過ぎたものを数え、同じやり方で続けて見ます。
出典:公式マニュアル「分析 - チャット / 自動応答」、LINEヤフー for Business「LINE公式アカウントのLINEチャット」(2026年11月時点)。
時間外の案内は短く
時間外の一律応答は、キーワード応答に一致しないメッセージが届くたびに返ります。 同じ人が続けて送れば同じ文面が何度も返るので、受付時間、いつごろ返信するか、急ぎのときの連絡先の3点に絞った短い文面が向いています。 翌営業日は、プレビューで既読を付けずに中身を見てから担当を割り振ると、「開いて既読になったまま誰も返していない」状態を防げます。
答えられない問い合わせを回す流れ
- 運用ルールの基準で、その場で答えてよいかを判断する
- 答えられないときは、「確認して◯時までにご連絡します」と先に返す
- チャットルームを「要対応」にし、担当者を責任者に変える。経緯と確認してほしいことはノートへ
- 社内の連絡にはメッセージリンクを添える
- 文字で伝えにくい相談は通話リクエストを送る(LINEコールを有効にしておく)
- 回答したら「対応済み」に戻す
チャット対応を外部に任せる場合の範囲の切り方は LINE運用代行の費用と選び方で整理しています。
AI応答・チャットボットとの組み合わせ
人が返す前提でも、時間外や問い合わせが重なる時間帯だけ自動で一次対応させる組み方は現実的です。 標準機能で使えるのは、応答メッセージとAIチャットボット(β)です。
AIチャットボット(β)の仕様
公式マニュアルでは「登録済のQ&Aから最適な回答を自動で選んで返信する機能」と説明されています。 文章を生成して答える方式ではなく、登録したQ&Aの中から選ぶ方式です。
- チャットProオプションの有償機能で、Web版管理画面からのみ使えます。「Q&A登録」と「Q&A応答テスト」は、オプションを購入していなくても使えます(認定セールスパートナーが開設・管理するアカウントを除く)。
- LINEヤフーが定める、または対象外と判断した業種のアカウントには提供されません。
- Q&Aの登録上限は100件。PDF・画像からの自動生成は月30回までです。
AIが答えを見つけられなかったときなどには「システムメッセージ」が返り、マニュアルには 「返信条件は変更できませんが、返信メッセージは変更できます」とあります。 ここを「担当者が確認して、応答時間内にご返信します」のように書き換えると、AIで答えられなかった問い合わせの、人への入口になります。 分析画面では「適切な回答が見つからなかった割合」を確認できるので、Q&Aを足すか、人が答え続ける領域として残すかの判断に使います。
標準機能で足りない部分
- 時間内は手動チャットとAIチャットボット(β)を併用する
- 時間外はAIチャットボット(β)や応答メッセージで一次対応する
- 答えが見つからないときの返信文を書き換える
- トーク画面に「AIが自動で返信しています」などの応答状況を表示する
- 担当者が返信した時点で、AIの応答を自動で止める
- 担当者の対応をどれだけ待っているか(待ち時間)を一覧で確認する
- 臨時休業などの任意の日を、応答時間の例外として登録する
- 登録したQ&A以外の資料(規約やマニュアルの本文)を参照して回答する
「応答設定」「チャット」「チャット設定」「AIチャットボット(β)」「分析 - チャット / 自動応答」の各マニュアルを確認した範囲です(2026年11月時点)。
ここを埋めるには、Messaging APIで自社のボットを作るか、外部ツールを使います。 応答設定マニュアルの表では、チャットをオンにしていてもWebhookは受信できるとされています。 ボットと人の両方が返す二重返信が起きないよう、どの入力をどちらが処理するかを決めてテストします (ボット側の設計はLINEチャットボットで問い合わせ対応を自動化する方法)。
外部ツールの一例として、Engage Ch®のAI応答には、担当者がトークを引き取るまではAIが回答を続け、引き取った時点でAIの応答が止まる設定、 担当者が対応できる時間帯の曜日ごとの設定と祝日などの例外日の登録、トーク画面上部でAIが応答中か担当者待ちかを示す帯と、担当者待ちの件数・待ち時間の確認があります (一部の機能はアカウントごとに有効化してから使います)。内容はAIチャットボット構築にまとめています。
なお、まだ友だちになっていない人が自社サイトで抱いた疑問は、LINEチャットには届きません。 サイト上でFAQ・規約・マニュアルを横断し、根拠となった箇所を添えて答え、解決しない人を有人の窓口やLINEでの相談へ引き継ぐ構成は FAQチャットボットで紹介しています。
チャットで得た情報の扱い — タグ・ノート・保存期間・個人情報
チャットには、予約の希望、好み、困りごとなど、配信では得られない情報が集まります。 残し方を決めておかないと、担当の頭の中と、半年で消える履歴の中にしか残りません。
対応状況はステータスで、配信に使う軸はタグで
無料の範囲ではタグは1人1個までです。 「見積もり中」のような対応の段階までタグで持つと、関心や来店の段階を表すタグが付けられなくなります。 対応の段階はステータスで、配信に使う軸はタグでと分けるのが、無料の範囲での現実的な分担です。
配信に使うときは、チャットタグのオーディエンスを作ります。 条件はタグが付いていることとそのユーザーとのチャットルームがあることで、 マニュアルには「タグが削除された場合、オーディエンスも削除されます」とあります。タグを整理で消す前に、そのタグを使う配信を確かめてください。
出典:公式マニュアル「オーディエンス」(2026年11月時点)。
タグの名前や粒度、誰が付けるかは LINEで顧客管理はどこまでできる?の「タグ・属性の設計」で詳しく扱っています。
ノートと表示名は、引き継ぎのために
ノートは次に対応する人が読む前提で、「◯日に再連絡の約束」のように日付と約束を残します。 ノートはオーディエンスの条件に使えないので、配信に使いたいことはタグ側に持たせます。 チャットのユーザーネームは変更でき、変えた内容はユーザーには表示されません。 LINEの表示名はニックネームのことが多いため、台帳上の名前にしておくと取り違えを防げます。
無料の範囲の保存期間は半年です。契約や保証の条件のように半年を超えて参照しうるやりとりは、 チャットProで保存期間を延ばすか、要点を自社の台帳に書き写すかを決めておきます。
個人情報の扱い — 条文で確認できる範囲
チャットでは、氏名・電話番号・住所、業種によっては体調や病歴まで受け取ります。 ここでは個人情報の保護に関する法律の条文の確認にとどめ、法令上の評価は行いません。自社の取り扱いがどれに当たるかは専門家に確認してください。
- 第17条・第21条——利用目的をできる限り特定し、取得したら公表済みでない限り速やかに通知か公表をする。本人から直接書面(電磁的記録を含む)で取得するときは、あらかじめ明示する
- 第20条第2項——例外を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで要配慮個人情報(病歴など)を取得してはならない
- 第23条〜第25条——個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じ、取り扱わせる従業者や委託先を必要かつ適切に監督する
- 第26条——個人情報保護委員会規則で定める漏えい等が生じたときは、委員会への報告と本人への通知が必要になる
出典:e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(2026年11月時点)。条文の要旨で、ただし書きや例外は省略しています。第23条〜第26条の対象は「個人データ」です。
運用ルールに落とすと、次のようになります。
- 聞く前に使い道を書く——住所を聞くなら「配送のために伺います」のように添えます。示し方はゼロパーティデータとLINEでも扱っています。
- 聞かなくてよいことは聞かない——体調や病歴を扱う業種は、チャットで受け取る範囲を先に決めます(歯科・クリニックのLINE活用)。
- メンバーを必要な人に絞る——権限管理ではメンバーの権限の変更や削除ができます。異動・退職のときに外す手順を決めておきます。
- 誤送信に備える——公式コラムは、ブロックにつながりうる行動に「チャットする相手を間違えて他人の情報を送る」を挙げています。送信取り消しは24時間以内ですが、ユーザーが通報した場合は取り消した内容もLINEヤフーに送られるため、取り消しで無かったことにはなりません。起きたときの連絡先と手順を決めておきます。
よくあるつまずき
- 会話の途中に、同じ自動返信が何度も挟まる
時間内に「手動チャット+応答メッセージ」を選んで一律応答を使っていると、お客様が送るたびに一律応答が返ります。 対処:時間内は手動チャットだけにするか、対応中のチャットを一時的に手動チャットへ切り替える
- ログインを共有していて、二重に返信してしまう
入力中の表示は、別のビジネスIDでログインしている場合にしか出ません。1つのログインを複数人で使うと、誰が返そうとしているかが分かりません。 対処:1人ずつメンバーとして登録し、各自のアカウントでログインする
- 改行のつもりで途中送信してしまう
マニュアルでは、入力後に「Enter」を押すと送信されると説明されています。長い回答の途中で送ってしまうことがあります。 対処:チャット設定の基本設定で送信方法を変える(設定は利用する他のアカウントにも適用される)
- 予約送信したメッセージが届いていない
応答設定でチャットをオフにしていると、予約したメッセージは送信されません。応答の組み方を見直す途中で一時的にオフにした、という場面で起きます。 対処:応答設定を変える前に、チャット設定の「予約メッセージ」で予約中のものを確認する
LINEチャットの運用に関するよくある質問
Q. LINE公式アカウントのチャットは無料ですか?通数にカウントされますか?
基本機能は無料で、料金プランのページではLINEチャットの送受信は通数にカウントされないとされています。 ただし、チャット画面からタグを選んで送る絞り込み配信はカウントされます(2026年11月時点)。
Q. 店側からチャットを始められますか?
認証済アカウントなら、友だち追加したユーザーに連絡先の「チャット」ボタンから先に送れます(チャット開始機能)。 未認証アカウントでは、相手からメッセージが届くまで始められません。広告や宣伝目的での送信は避けるよう注意書きがあります。
Q. チャットと応答メッセージ(自動応答)は同時に使えますか?
使えます。応答時間内の応答方法に「手動チャット+応答メッセージ」があり、応答時間を使えば時間内は手動チャット、時間外は応答メッセージと切り替えることもできます。 対応中の相手には、一時的に手動チャットへ切り替えて自動返信を止められます(1時間、最長7日間まで延長可)。
Q. チャットProオプションを契約すると何が変わりますか?
月額3,000円(税別)で、履歴の保存期間が6か月から5年間に、タグが作成5個・1人1個から作成300個・1人30個に、ノートが1件から1,000件に広がり、 履歴のダウンロード、カスタムフィルター、AIチャットボット(β)が使えます。CRMオプション(月額5,000円・税別)にも含まれます(2026年11月時点)。
Q. チャットの履歴はいつまで残りますか?
無料の範囲では半年、チャットProオプションでは5年間で、2024年1月1日以降の履歴が対象です。 グループ・複数人トークの画像や動画は2週間、ファイルは1週間で、オプションの有無に関わらず同じです。
まとめ
- チャットの送受信は通数にカウントされない。チャット画面からの絞り込み配信はカウントされる
- チャットは相手からのメッセージで始まる。店側から始められるのは認証済アカウントのチャット開始機能で、広告・宣伝目的は避ける
- 応答時間を使い、時間内は手動チャット、時間外は応答メッセージに。応答時間は実際に返信できる時間で決める
- 複数人で回すなら、1人1ログイン、担当者の明示、要対応・対応済みで取りこぼしを防ぐ
- 答えられない問い合わせは、先に返事をしてから要対応にして回す
- 無料の範囲はタグ1人1個・ノート1件・履歴半年。上限に当たってからチャットPro(月額3,000円・税別)を検討する
自動応答に任せる範囲と人が受け持つ範囲を分け、誰がいつ返すかを決めておけば、少人数でもチャットの窓口は回ります。 自動応答の設計はLINEチャットボットで問い合わせ対応を自動化する方法、 チャットで集めた情報の持ち方はLINEで顧客管理はどこまでできる?をあわせてご覧ください。
