サロンのLINEは「予約の前後」と「次の来店まで」で考える
サロンでLINEを使う場面を時系列に並べると、次の6つになります。 告知やキャンペーンも送れますが、毎回の来店に関わるのはこの6つです。 ここを先に固めてから告知を足すほうが、運用が崩れません。
| 場面 | 送る内容 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 1. 予約確認 | 日時、メニュー、担当、所要時間、変更の連絡方法 | 予約と関係の無い宣伝を入れる |
| 2. 前日リマインド | 日時と、変更・キャンセルの連絡先 | クーポンや新メニューを混ぜる |
| 3. 施術後フォロー | お礼、施術に合わせたホームケア、相談先 | 来店当日からの値引き案内 |
| 4. 次回予約の案内 | 前回のメニューに沿った次の提案 | 次の予約を入れた人にも送る |
| 5. 周期の手前の案内 | 季節やメニューに合わせた提案、空いている日時 | 周期より短い間隔での督促 |
| 6. 間隔が延びたとき | 季節のケア、近況伺い、店のお知らせ | 1通目からの割引クーポン |
この流れを組むとき、サロンには他の業種と違う前提が4つあります。
- 予約の入口が複数ある——電話、店頭、自社の予約システム、ホットペッパービューティーなどの予約サイト、LINE。入口ごとに、LINE側に残る記録が違います。
- 来店の周期がメニューで違う——同じお客様でも、カラーの回とカットだけの回で次の来店までの間隔が変わります。
- お客様が担当スタッフについている——誰が連絡するか、担当が変わったらどうするかを決めておく必要があります。
- 施術中はチャットに返信できない——すぐに返せない時間を前提に、応答の設定を決めます。
「顧客の段階で送る内容を変える」という来店促進の一般的な考え方は LINEで来店促進する配信設計にまとめています。 この記事では、上の4つの前提がある美容サロンで、各場面をどの機能で組むかに絞ります。 当サイトの美容サロン向けの配信の流れは美容サロンの活用シーンでも紹介しています。
まず決める:予約の入口と、来店の記録をどこに持つか
場面ごとに送り分けるには、「誰が・いつ予約し・いつ来たか」が、LINEで送る相手として指定できる形で残っている必要があります。 サロンでつまずきやすいのは、予約の入口ごとに記録の残り方が違う点です。
| 予約の入口 | LINE公式アカウントに残るもの | LINEで送る相手にするには |
|---|---|---|
| 電話・店頭・予約サイト | 残らない | 来店時に友だち追加をお願いし、チャットで本人を確かめて対応づける |
| 自社の予約システム・POS | 予約システムの中にだけ残る | 予約システム側のLINE連携、またはMessaging APIを使うツール |
| LINEで予約 | 予約・キャンセル・みなし来店 | 予約オーディエンス。ただし連携先は飲食店向けが中心 |
| LINEビューティープラス | 予約・来店・カルテ | Beautyオプションのセグメント配信・オートメーション。ヘアサロン・理容店のみ |
出典:「オーディエンス」・「LINEで予約」・「分析 - 予約」の各マニュアル、サービスページ「LINEで予約」・「LINEビューティープラス」(2026年11月時点)。
「LINEで予約」の連携先は、飲食店向けが中心
LINE公式アカウントの「予約」タイプのオーディエンスでは、キャンセルされずに予約日を過ぎた予約を「みなし来店」として選べます。 ただしこれは「LINEで予約経由で予約したユーザーを対象としたオーディエンス」で、 LINEで予約は予約サービスとの連携が完了していないアカウントでは使えません。 その連携先として、サービスページの「連携サービス提供会社」には9社が掲載され、うち7社に「飲食店様のみ対応」と注記されています(2026年11月時点)。 また「分析 - 予約」のマニュアルには「ユーザーがLINE公式アカウント以外で予約やキャンセルをした場合、反映されません」とあり、 電話や予約サイトの予約はLINE側の記録に入りません。
ヘアサロン・理容店には「LINEビューティープラス」がある
LINEヤフーは2026年9月8日に、ヘアサロン向けの「LINEビューティープラス」の正式提供を開始しました。 プレスリリースでは 「「LINE公式アカウント」の有償オプション機能を組み合わせた、ヘアサロンに特化したパッケージサービス」と説明され、 管理画面からは「Beautyオプション」として申し込みます。 対応業種は「美容院・ヘアサロン、理容店」で、その他の業種は「現時点では対応予定含めご案内しておりません」とされています(2026年11月時点)。 エステサロンやネイルサロンは、案内されている対応業種に含まれていません。 中身は標準機能の外側の選択肢で整理します。
予約サイトのお客様は、LINEでは「どの予約の人か」が分からない
予約サイトから来たお客様が店のLINEを友だち追加しても、LINE公式アカウントはその人がどの予約のお客様かを知りません。 LINEで送る相手を表す「ユーザーID」の取得手段として示されているのはWebhookとMessaging APIで (ユーザーIDを取得する、2026年11月時点)、 管理画面の操作だけでは顧客台帳とつながりません。
標準機能で対応づけるなら、来店時に友だち追加とひと言のメッセージをお願いし、チャットの表示名を店で管理している名前に変えておきます。 マニュアルには、表示名を変更しても「変更した内容はユーザーには表示されません」とあります。 お客様の情報をLINE側の名前やノートに残すときは、自店で決めている個人情報の扱いの範囲で行ってください。
なお、LINEビューティープラスの案内では、かんざしの契約で連携できる予約サイトとしてHOT PEPPER Beautyなどが挙げられ、 「本情報は更新可能性がございます」と注記されています。 この連携は予約の一元管理とダブルブッキングの防止として案内されており、予約サイトのお客様にLINEで送れるようになるかは同ページに書かれていません。 予約サイト側の機能は、各サービスの公式情報で確認してください。
LINE公式アカウントの標準機能でできること・できないこと
有料オプションを使わずに、LINE公式アカウントの機能だけでサロンの連絡を組む場合の範囲です。
- チャットで1人ずつ連絡し、日時を指定して予約送信する(同時に予約できるのは50件まで)
- チャットごとに、アカウントのメンバーを担当者として設定する
- チャットタグを付け、そのタグのオーディエンスを配信の対象にする
- オーディエンスを開始条件にしたステップ配信で、1〜30日の待ち時間を置いて順に送る
- 定型文を作り、チャットで入力せずに送る
- 応答時間を決め、時間外は応答メッセージで自動返信する
- リッチメニューから予約ページなど外部のページへ案内する
- 予約日を起点に、前日に自動でリマインドを送る
- 来店や施術の完了をきっかけに自動で送る(来店の記録を持たない)
- 1人に2個以上のチャットタグを付ける(無料の範囲は1個まで、種類は5個まで)
- 1つのチャットにノートを2件以上残す(無料の範囲は1件まで)
- 未認証アカウントで、メッセージを送ってきていない友だちとのチャットを始める
- 1人ずつ違うリッチメニューを表示する(Messaging APIが必要)
出典:「チャット」・「オーディエンス」・「ステップ配信」・「応答設定」・「リッチメニュー」の各マニュアル(2026年11月時点)。
チャットは、1人ずつの連絡を通数を使わずに送れる
サロンの連絡の多くは「この人に、この日のこと」を伝えるもので、一斉配信よりチャットが向いています。 料金プランのページでは、 「LINEチャットの送受信」は通数にカウントされない側に、「メッセージ配信(絞り込み配信・ステップ配信含む)」はカウントされる側に挙げられています(2026年11月時点)。 ただし、チャット画面から使える「絞り込み配信」(タグで分けたグループを最大10まで選んで送る機能)は「配信数にカウントされます」と注記されています。
店からチャットを始められる相手は、アカウントの状態で変わります。 認証済アカウントでは、チャットルームの無い友だちを選ぶとチャットルームが作られますが、 未認証アカウントでは「チャットメッセージを送信したことのあるユーザーのチャットルームのみが表示されます」。 未認証のまま運用するなら、来店時に一度メッセージを送ってもらう流れを作っておきます。
タグの上限が、そのまま設計の上限になる
チャットタグは、標準機能で「この人はどの段階か」を持たせる数少ない手段です。 ところが無料の範囲では、作れるタグの種類が5個まで、1人に付けられるタグは1個までです。 「初回来店」「カラー」「担当:◯◯」を同じ人に同時には付けられません。 そこでタグには1つの軸だけを持たせ、担当スタッフはチャットの担当者設定、施術の要点はノート、というように分けます。 チャットProオプション(月額3,000円・税別)では、タグが作成300個・1人30個まで、ノートが1チャット1,000件まで広がります(チャットProオプション、2026年11月時点)。
また「タグが削除された場合、オーディエンスも削除されます」とされているため、タグを整理し直すと、そのオーディエンスを使っている配信まで影響を受けます。
ステップ配信は「オーディエンスに入った人」から始まる
開始条件にオーディエンスを選んだステップ配信は、「開始時点でオーディエンスに含まれるユーザー、開始後、新たにオーディエンスに含まれたユーザーが配信対象」になります。 来店時にタグを付ければ、その人がタグのオーディエンスに加わり、来店後のフォローが始まる組み方です。 タグを付けてから1通目が届くまでの細かな判定は公式マニュアルに記載が見当たらないため、スタッフ自身のLINEで試してから使ってください。 待ち時間は1〜30日の範囲で日単位なので、周期が30日より長いメニューは途中に別の1通を挟むか、チャットで送ります。 分岐を含む組み方はLINEシナリオ配信の作り方で扱っています。
標準機能の外側にある選択肢 — LINEの有料オプションと外部ツール
前日リマインドを予約日から自動で送りたい、来店をきっかけに送りたい、タグの上限を超えたい。 こうした要件に当たったときの選択肢を、やりたいことごとに並べます。
| やりたいこと | 標準機能 | LINEビューティープラス | 予約システム連携・外部ツール |
|---|---|---|---|
| 前日リマインド | チャットで1人ずつ予約送信 | 予約に関する自動通知(無料)。オートメーションの「来店予定日」 | 予約日時を取り込んで自動送信 |
| 来店後のフォロー | 来店時にタグを付け、ステップ配信 | オートメーションの「来店」 | 来店の記録をきっかけに自動送信 |
| 周期の手前の案内 | チャットで送る、またはタグとステップ配信 | オートメーションの「最終来店日」 | 最終来店日を条件に送り分け |
- CRMオプション——月額5,000円(チャットProオプションを含む、税別)。顧客情報のユーザーリスト、フォーム、オートメーションを加えます。ただしオートメーションの「来店」「最終来店日」「来店予定日」は、Beautyオプション(「来店」「最終来店日」はレストランオプションも)を契約している場合のみ使える条件です。
- LINEビューティープラス——ヘアサロン・理容店向け。初期サポート費用30,000円、月額14,000円(年契約)または17,500円(月契約)、スタッフ2名以上で月額11,000円の複数スタッフ利用料(いずれも税別、キャンペーンの案内あり)。予約完了・キャンセル時と前日のリマインドを「店舗のLINE公式アカウントから無料で自動通知」すると案内され、それ以外の配信は通常の料金プランに準じます。
- 予約システム連携・API——いま使っている予約システムやPOSのデータで送ります。エステやネイルのサロン、予約システムを替えたくない店の選択肢です。Messaging APIのPush APIなどで送るメッセージは通数にカウントされます。
出典:チャットProオプション・CRMオプション・LINEビューティープラスの各サービスページ、「オートメーション」マニュアル、料金プラン(2026年11月時点)。
LINEビューティープラスの申し込み条件には、LINE公式アカウントが認証済であること、ビジネスマネージャーとの接続・認証、 「CRMオプション/レストランオプション/チャットProオプションの申し込み・契約をしていない」こと、 「友だちが10万人以上ではない」ことなどが挙げられています(申し込み・解約(Beautyオプション)、2026年11月時点)。 申し込みから利用開始までは「約5~6週間程度を目安」とされています。
予約システムやPOSのデータを使う方法では、たとえばEngage Ch®で、 予約システムの予約日時・担当者・施術メニューを取り込み、前日リマインドや次回予約の案内、来店履歴から周期を把握した案内を送る使い方ができます。 連携の考え方は外部連携にまとめています。 すでに予約システムを使っている店は、まずそのシステムのLINE連携を確かめ、規模が小さいうちは標準機能のチャットとタグで始めるのが迷いにくい進め方です。
予約前後:予約確認と前日リマインド
予約前後の連絡は、売り込みではなく確認と案内です。 目的は、行き違いと連絡の無いキャンセルを減らすことにあります。
◯◯さま、〈店名〉です。明日のご予約を確認させてください。
・日時:〈日付〉〈時刻〉から(〈所要時間〉ほど)
・メニュー:〈メニュー〉/担当:〈担当者名〉
ご都合が変わった場合は、このトークにひと言お送りください。
施術中はお返事が遅れることがありますが、確認しだいご連絡します。
標準機能で送るなら、チャットの予約送信
標準機能だけで送るなら、チャットの「メッセージを予約して送信する」で、前日の日時を指定して入れておきます。 マニュアルには、送信前なら内容や日時を編集・削除できること、「同時に予約できるメッセージは50件までです」、 「混雑状況などにより、設定時間通り配信されないことがあります」と記載されています。 予約が多い店は、先の分まで一度に入れず「毎日閉店後に翌々日の分を入れる」のように作業の時刻を決め、予約の変更を受けたら入れておいたメッセージも同時に直します。
変更・キャンセルの連絡先を、リマインドの中に書く
リマインドは、行けなくなった人が連絡しやすくするための連絡でもあります。 連絡の方法が書いてあれば、連絡の無いキャンセルが連絡のあるキャンセルに変わり、空いた枠を案内し直す時間が生まれます。
施術中にすぐ返せないことも、文面で先に伝えておきます。 トークルームには応答方法に応じて「担当者が返信します」「現在は応答時間外です」などの応答状況を表示でき、表示の有無の変更は認証済アカウントのみ可能です(応答設定、2026年11月時点)。
予約の入口は、リッチメニューで1つに絞って見せる
リッチメニューは、リンクを設定して「外部サイトや予約ページなどにユーザーを誘導することができます」と案内されています。 予約の入口が複数ある店ほど、主に使ってほしい入口を1つに絞って大きく置き、メニュー・料金、スタイル、アクセス、問い合わせを周りに並べます。 管理画面のリッチメニューは全員に同じものが表示されます。 初めての方と通っている方で変えるような出し分けにはMessaging APIが必要で、違いはLINEリッチメニューの出し分け・タブ切り替えで整理しています。
来店後:施術後フォローと次回予約の案内
来店直後の連絡は、次の来店につなげる最初の1通です。 来店当日の閉店後から翌日に、お礼と、施術に合わせたホームケア、相談先を送ります。 値引きを出すより、施術のあとに気になりやすいことに先に答えるほうが、次の連絡も読まれやすくなります。
◯◯さま、昨日はありがとうございました。〈店名〉の〈担当者名〉です。
〈施術メニュー〉のあとは、〈ホームケアの要点〉を意識していただくと、仕上がりを保ちやすくなります。
気になるところが出てきたら、このトークで写真を送っていただければ確認します。
メニュー別のホームケアは、タグか定型文か
標準機能でメニューごとにホームケアを送り分けるには、2つのやり方があります。
- タグとステップ配信で自動にする——タグを「カラー系」「パーマ系」「カットのみ」のようなメニュー群に使い、来店時に1つ付けて、タグごとにステップ配信を作ります。自動で続きますが、タグは1人1個・5種類までなので、来店の段階はタグで持てなくなります。
- 定型文をチャットで送る——メニュー群ごとのホームケアを定型文にしておき、会計のあとにスタッフが送ります。手作業ですが通数を使わず、担当の名前で送れます。来店客が少ない店や、まず反応を見たい段階に向いています。
ホームケアの内容は、店で普段お客様に伝えていることを書き起こすのが基本です。仕上がりや効果を約束する書き方は避けます。
次回予約は「会計の場」と「LINE」の二段で
次回の予約は、まず会計の場でお声がけし、LINEはその場で予約しなかった人への後押しに使います。 送るのは「そろそろいかがですか」ではなく、前回のメニューに沿った次の提案です。
いちばん大事なのは、次の予約を入れた人を外すことです。 来店の段階をタグで持っているなら、次回予約を受けた時点でタグを「次回予約済み」に付け替え、 ステップ配信の分岐の条件にそのタグのオーディエンスを指定して、該当する人には次の案内を送らないルートに分ける方法が考えられます。 実際の動きは少人数で試してから広げてください。 流れの例は美容室のF2フォローのテンプレートにあります。日数は例なので、次章の手順で自店の数字に置き換えてください。
来店周期に合わせた案内 — 日数はメニューごとに自店のデータで決める
「カラーは何週間ごと」「ネイルは何週間ごと」といった、どの店にも当てはまる日数はありません。 髪や爪の状態、お客様の生活、店の提案の仕方で間隔は変わります。 区切りは自店の来店記録から、メニュー群ごとに決めます。
- 1. メニュー群ごとに来店間隔の中央値を出す——予約台帳やPOSから、同じお客様の続けての来店日の差を集め、真ん中の値を取ります。平均ではなく中央値を使うのは、年に一度だけ来る人に引っ張られないためです。1回しか来ていない人は含めません。
- 2. 区分は2〜3から始める——カラーを含む来店、カットのみ、エステのコースなど、差が大きいところだけ分けます。細かく分けすぎると、各区分の人数が少なくて判断できません。
- 3. 中央値を基準に区切りを置き、反応を見てずらす——当サイトの来店周期リマインドと休眠復帰のテンプレートでは、中央値の1〜2週間前に案内、周期の1.5倍程度で休眠予備軍、周期の2倍で休眠、を出発点にしています。
| メニュー群 | 中央値 | 周期の手前の案内 | 休眠予備軍 | 休眠 |
|---|---|---|---|---|
| カラーを含む来店 | 42日(仮) | 28〜35日目ごろ | 63日前後 | 84日以上 |
| カットのみ | 70日(仮) | 56〜63日目ごろ | 105日前後 | 140日以上 |
中央値は計算の仕方を示すための仮の数字です。自店の記録から出した値に置き換えてください。
この数字は出発点です。案内を送る前に予約が集中しているなら遅すぎ、案内の直後にブロックが目立つなら早すぎる、と結果を見てずらします。
案内の中身は督促ではなく、前回のメニューと季節に合わせた提案と、空いている日時です。 周期どおりに通う人は案内が無くても来ることが多いので、ここで割引を出すと、来るはずだった人に値引きを配ることになりがちです。
標準機能で組むなら、来店客が少ないうちは、週に一度、台帳から周期の手前に入った人を書き出してチャットで送るのが確実で、通数も使いません。 自動にしたいなら、来店時のタグを開始条件にしたステップ配信を並べます。 来店の記録がどこにも無い場合は、来店時に「次回の来店の目安」を本人に聞く方法もあり、手順は来店周期リマインド(アンケート版)にまとめています。
失客・休眠への声かけ
いつもの間隔を過ぎても来ない理由は、たいてい分かりません。 理由が分からない相手に、いきなり強い割引を送るのは避け、段階で内容を変えます。
- 休眠予備軍(周期の1.5倍前後)——季節のケア、新しいメニュー、店の近況など、思い出してもらう内容にし、オファーは添える程度にします。文面の型は休眠復帰(Soft)にあります。
- 休眠(周期の2倍以上)——誕生月やポイントの期限など、本人に関係する期限があるときに絞って送ります。「お知らせ」として送れる理由があると、久しぶりの連絡でも唐突になりにくくなります。誕生日の集め方と送り方はLINE公式アカウントの誕生日メッセージにまとめています。
担当スタッフが辞めるときは、店から先に連絡する
サロンに特有なのが、担当スタッフの退職や異動をきっかけに来なくなるケースです。 担当がいないことを予約の段階で初めて知ると、そのまま他の店を探すきっかけになりかねません。 チャットの「担当」の一覧は「自身のアカウントが担当者に設定されたチャットルームが表示されます」と説明されているため、 担当していたお客様の確認は本人がいるうちに行い、次の担当の候補を添えて店からチャットで知らせます。
送り続けない
休眠層は、もともとブロックされやすい状態にあります。 まとめて一斉に送らず、間隔の浅い人から少しずつ送り、反応の無い相手には頻度を下げる側に倒します。 配信とブロックの関係はブロック率を下げる配信設計にまとめています。
スタッフ指名・担当制とチャット対応
サロンでよく見かけるのが、スタッフが個人のLINEでお客様とやり取りしている状態です。 やり取りは店のアカウントに残らず、担当が休んだときや辞めたときに店が引き継げません。 店のLINE公式アカウントに担当の仕組みを持たせると、この問題を避けられます。
- メンバー——権限の種類を問わず、1アカウントに100人まで登録できます。スタッフ一人ひとりを管理画面のメンバーにします。
- 担当者——チャットごとに設定でき、未設定なら最初にチャットを送信したメンバーが担当者になります。指名のスタッフを担当者にし、「担当」の一覧で自分の担当チャットを見ます。
- ノート——無料の範囲は1つのチャットに1件までです。施術の要点や配慮事項を、次の担当も読める形で残します。
- 要対応・対応済み——チャットごとに状態を切り替えて一覧で絞り込めるので、担当が不在でも返信を待つお客様を他のスタッフが拾えます。
- チャット履歴——保存期間は6か月(チャットProオプションでは5年間)です。長く通うお客様の履歴をどう残すかは、この期間を前提に決めます。
出典:「権限設定」・「チャット」の各マニュアル、チャットProオプション(2026年11月時点)。権限の種類ごとにできる操作は、権限管理の画面の表で確認できます。
返信のルールを先に決める
担当制にすると、「担当が施術中・休みのときに誰が返すか」が必ず問題になります。 次の3つを決めておくと、返信の抜けと二重の返信を防げます。
- 営業時間内——担当が返信する。施術中で返せないときは、手の空いたスタッフが「担当から改めてご連絡します」とだけ返し、要対応にしておく。
- 営業時間外——応答時間を設定し、応答メッセージで受け付けた旨と返信の目安を返す。
- 担当の休み——予約の変更・キャンセルなど日時に関わる連絡は、受けたスタッフが対応し、ノートに残す。
指名の情報は、文面と担当者設定に持たせる
指名予約の受け付けそのものは、予約システムの機能です。 LINE側でできるのは、担当者設定で「誰のお客様か」を持たせることと、文面に担当の名前を入れることです。 前日リマインドや施術後のフォローに担当の名前があれば、自分の担当からの連絡として読まれます。
スタッフごとにアカウントを分けるかは働き方で決まります。 お客様を店で引き継ぐ前提なら、1つのアカウントで担当を分けるほうが管理しやすく、 業務委託などでスタッフ個人がお客様を持つなら分ける判断もありえますが、店からのお知らせを各アカウントで重ねて送ることになります。
効果の測り方 — 開封ではなく、予約と来店で見る
管理画面で見られるのは配信数や開封・クリックで、ステップ配信の分析でもステップごとの配信数・開封率・クリック率は配信数以外が推定値とされています(分析 - ステップ配信、2026年11月時点)。 サロンの目的は予約と来店なので、成果は予約台帳やPOSの側で数えます。
| 場面 | 見る指標 | 分母 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 前日リマインド | 連絡の無いキャンセルの件数・割合 | 期間内の予約数 | 始める前の同じ時期と比べる |
| 施術後フォロー | 2回目に来店した人の割合(F2) | 期間内の初回来店者数 | 配信数を分母にしない |
| 次回予約 | 会計時に次の予約を入れた人の割合 | 期間内の来店者数 | 会計の場の効果なので、LINEの効果と分けて見る |
| 周期の手前の案内 | 案内後の一定期間内の予約・来店の割合 | 案内を送った人数 | 期間(窓)を毎回同じにする |
| 休眠への声かけ | 戻ってきた人数 | 声をかけた人数 | 1回で判断せず、季節ごとに積み上げる |
比べる相手は他の店の数字ではなく自店の前回で、人数が少ないうちは数回分を積み上げてから判断します。 比べ方はLINE配信のPDCAの回し方、指標の定義はLINE配信の指標まとめを参照してください。
よくあるつまずき
- 予約の入口ごとに、LINEでの連絡がばらばらになる
LINEで予約した人にはリマインドが届き、電話や予約サイトの人には届かない、という状態になりがちです。 対処:入口を問わず、来店時に友だち追加とひと言のメッセージをお願いし、連絡の方法を揃える
- タグを作り込んでから、無料の範囲の上限に気づく
無料の範囲のタグは5種類・1人1個までで、段階もメニューも担当もタグで持つ設計は組めません。 対処:タグの軸を1つに決め、担当は担当者設定、施術の要点はノートに分ける
- 次の予約がある人に、周期の案内が届く
会計の場で次回を予約した人に「そろそろいかがですか」が届くと、店に覚えられていない印象になります。 対処:次回予約を受けたらタグを付け替えるなど、外す手段を配信より先に決める
美容サロンのLINE活用に関するよくある質問
Q. 予約の前日リマインドは、標準機能で自動送信できますか?
予約日を起点にした自動送信はできません。ステップ配信の開始条件は「友だち追加」か「オーディエンス」です。 標準機能では、予約を受けた時点でチャットの予約送信を使い、前日の日時を指定して1人ずつ送ります(同時に予約できるのは50件まで)。 ヘアサロン・理容店はLINEビューティープラスの自動通知、それ以外は予約システムの連携やMessaging APIを使うツールが選択肢です(2026年11月時点)。
Q. ホットペッパービューティーで予約したお客様にも、LINEで連絡できますか?
自店のLINE公式アカウントを友だち追加していれば、チャットで連絡できます。 ただし予約サイトの予約はLINE公式アカウントに記録されないため、どの友だちがどの予約の人かは、来店時に確認してチャットの表示名を変えておくなど、店側で対応づけます。 LINEビューティープラスの案内では、かんざしの契約で連携できる予約サイトにHOT PEPPER Beautyが挙げられていますが、更新の可能性があると注記されています。
Q. チャットタグはいくつまで付けられますか?
無料の範囲では、作れるタグの種類が5個まで、1人に付けられるタグは1個までです。 チャットProオプション(月額3,000円・税別)では作成300個・1人30個まで広がります(2026年11月時点)。 無料の範囲では、担当はチャットの担当者設定、施術の要点はノートに持たせるなど、役割を分けて設計します。
Q. エステサロンやネイルサロンでもLINEビューティープラスは使えますか?
2026年11月時点の案内では、対応業種は「美容院・ヘアサロン、理容店」で、その他の業種は「現時点では対応予定含めご案内しておりません」とされています。 エステやネイルのサロンでは、標準機能を組み合わせるか、自店の予約システムとLINEをつなぐ仕組みを検討します。
まとめ
- 連絡は予約確認、前日リマインド、施術後フォロー、次回予約の案内、周期の手前の案内、間隔が延びたときの声かけの6つの場面で考える
- 電話や予約サイトの予約はLINE公式アカウントには残らない。来店時に友だち追加とひと言のメッセージをもらい、店側で対応づける
- 「LINEで予約」の連携先は飲食店向けが中心。ヘアサロン・理容店にはLINEビューティープラスという有料の選択肢がある
- 1人ずつの連絡はチャットで送る。チャットの送受信は通数にカウントされず、予約送信は同時に50件まで
- 無料の範囲のタグは5種類・1人1個まで。担当は担当者設定、施術の要点はノートと役割を分ける
- 周期はメニュー群ごとの自店の中央値から決め、次の予約がある人は必ず外す
- 効果は開封ではなく、予約台帳とPOSの予約・来店で、自店の前回と比べて測る
小さな店なら、標準機能のチャットとタグとステップ配信で、予約前後と来店後の連絡は組めます。 予約が増えて手作業が回らなくなったら、予約や来店の記録を配信に使う仕組みを検討する段階です。 予約システムやPOSとつなぐ考え方は外部連携、場面ごとの文面はテンプレート集から選んでください。
